三つの要因が重なり起きたAIブームのパーフェクトストーム ─DLLAB DAY 2018 基調講演

Preferred Networksがディープラーニングで取り組む自動運転、製造業、医療分野

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株式会社Preferred Networks CEO 西川 徹氏
Preferred Networksは2014年に創設され現在、主に自動運転、製造業、医療分野の課題をディープラーニングで解決する取り組みを行っている。

車から見える映像への深層学習の適用

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車から見える映像からディープラーニングによって車道とガードレールの判別や自動車や歩行者の検出を行ったもの
自動車は人の手でルールを決めて状況を判断するルールベースでは対応しきれない雨や雪などの様々な状況で走らせるため、ディープラーニングの様々な状況に対応できる汎化性能が重要になってくる。

製造設備の故障予知への深層学習の適用

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工場の製造設備は入り組んだ設計をされており前工程の設備が止まるとそれ以降の設備も止まることになるため、設備が故障して長時間稼働停止をする前にメンテナンスを行うことが重要になってくる。

従来の手法では設備の振動や、温度などの情報から故障を予測するにはどの情報が重要かなどの重みづけを人間の手で設定する必要があったが、ディープラーニングを適用することでどの情報が重要か自動で調整されるため、設定の手間が大きく軽減された。

従来の手法では早くても数時間前に故障予測のアラートが上がっていたため設備のメンテナンス部品の取り寄せが間に合わないといったこともあったが、ディープラーニングではより早く故障の時期が予測できるようになったため余裕をもって設備のメンテナンスを行えるようになった。

乳がんの診断精度99%をディープラーニングで達成

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ヘルスケア分野では国立がん研究センターと協力体制をとっており、乳がんの診断精度をディープラーニングで上げる取り組みを行っている。
現在マンモグラフィでは80%精度で診断が行われており、約5人に1人には誤診断が発生している。

血液中の成分を測定することによって癌を診断するLiquid Biopsyでは人間による診断で約90%の精度を達成していたが、これをディープラーニングで学習させて診断を行うことで約99%の精度での診断を現段階で達成している。PFNでは現在ディープラーニングベースでのLiquid Biopsy診断の実用化を関係各所との協力の元進めているという。

深層強化学習の汎化性能の高さ


本講演内で紹介されたこの動画はCES2016にてPFNが行った深層強化学習による自動運転デモである。赤い車の中には実際に人間が入っており、それ以外の車は他の車や障害物にぶつからないように学習を行った自動運転の車だ。

この動画の見どころは学習時点では存在していなかった赤い車の運転に適応し他の車は衝突しないように走行を行っている点である。これは深層強化学習の高い汎化性能を示すものとなっている。

DLLAB DAY2018ではAIの構成技術である、ディープラーニングの活用事例や解決すべき課題の提示が行われた。

DLLABだけでなく多くの活用事例が出てきているAIとはそもそも何なのか、どういうことが出来て、AIモデルを作るということがどういう事なのか、どうしたらビジネスに活用できるのかということを、マイクロソフト社のバックアップのもと、AI作成方法や既存のAIの能力を実際にAzureをさわりながら理解する、3時間のAI基礎講座を予定している。興味がある方は是非下記ページをご覧いただきたい。

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