AIoT のパワーを解き放て―― AIとIoTを統合したAIoTを今すぐ導入すべき理由とは?

質問文から自動でキーワードを抽出し、足りない情報は自ら聞き返す ─チャットボット調査①NTTドコモ FAQチャットボット

実際にチャットボットを作ってみる

今回はQAの作成からシステムへの投入、LINEとチャットボットを連携して応答の確認、精度向上のためのチューニングまでを紹介する。

チャットボットの元となるQAリスト作成

質問リスト
どのようなチャットボットでもまず必要なのが質問文と回答文のリストである。FAQチャットボットはまずサービス契約時に提供されるエクセルのフォーマットにQとAを記入しマクロを利用してシステムに登録するためのファイルを作成することができる。

今回はIoTNEWSの運営母体であるアールジーンが行っている事業支援サービスのことについてのQAを作成した。

専門用語辞書
さらに意味はほとんど同じだが言い方が違う単語(価格、料金など)はチャットボットに教えてあげる必要がある。そこで『料金、価格、お金・・はどの表現でも「費用」と理解してね』という情報をこのように記述している。

FAQチャットボットのボット作成

チャットボットの作成
今回作ったQAの投入先であるボットを作成する。名前は何でも構わないがここではQAの内容に合わせて「事業支援サービスチャットボット」と命名した。

QAのコンパイル

編集画面から前段で作成したQAのファイルをシステムに投入を行う。投入と言っても難しいことはなく質問文のファイルと回答文のファイルをアップロードし、「コンパイル」というボタンを押すだけだ。今回は質問文が30問と少ないこともあり1分とかからずシステムへのアップロード、コンパイルが終わった。

FAQチャットボット真理表

コンパイルによってチャットボットが構築され「真理表」が表示される。この「真理表」は名前は厳めしいが質問文からどのようなキーワードをシステムが抽出してくれたのかを示している。

チャットボットはこの抽出したキーワードをもとに回答を探し、質問から回答を特定できない場合はこの真理表に従って足りないキーワードの聞き返しを行う。

チャットボットをLineと連携する

Line連携
この画像の空欄に連携したいLineのアカウントの情報の入力を行いLine側でも設定をすることでLine上でチャットボットと対話ができるようになる。

Lineの設定画面とこの設定画面を1、2回行き来をする必要があるが、マニュアルの通りに作業を行いおおよそ5分程度の作業で連携が完了した

チャットボットの応答を確かめる

Line連携
Lineを使って「事業支援サービス」とチャットボットに対して入力したところ「概要」についての質問ですかと聞き返された。前述の真理表に基づいてチャットボットは回答の探索をしており、質問者の入力分だけでは回答を特定するための情報が足りない場合はこのように自動で生成されたキーワードの聞き返しを行うようだ。

応答文の編集方法

「回答ありがとうございました」「回答が見つかりませんでした」といった回答以外の部分の言い回しなどは管理画面上に存在しているFAQTalk.aimlを編集することで変更することができる。

今回はテンプレートとして存在しているLine向けの応答分を利用することで「はい」「いいえ」などのボタン表示を行うことができた。

チャットボット応答精度向上のためのチューニング

一般的にチャットボットは初めから完璧なものを作ることはできないため順次改善をしていく必要がある。人間であっても質問の仕方よっては原因が特定できないことがあるようにチャットボットであっても質問の仕方や登録している質問の種類によって回答できる限界がどうしても存在する。

そこでチャットボットが答えられるべきだが想定できていなかった質問の仕方や問い合わせがあった場合はチャットボットのデータの改善(チューニング)を行う必要が出てくる。ここまで聞くとシステムに関する知識が必要なように思えるが今回のFAQチャットボットの場合は基本的にはエクセルの編集がチューニングの主な作業になってくる。

チューニングでやることは専門用語辞書のところでも話したようにユーザーがどのような言い回しで質問をしてくるかを先回りして記述したり、実際のチャットボットのやり取りを記録したログを見ながらどんな言い方で質問がされているかをログの分析を行ったりといった方法がある。

また、チャットボットの中には存在していない内容の質問をされてもチャットボットは答えることができるため予想外の質問がチャットボットにされていた場合は新たに質問文と回答の登録を行い対応をする必要がでてくる。

まとめ

特にプログラミングの知識なども必要なく、質問文からシステムが自動的にキーワードを抽出し回答文と紐づけてくれるため利用者はユーザーがしそうな質問と回答のペアを作ることに集中することができる。QAの組み合わせさえあればとりあえずチャットボットの構築を行うことができるため、すでにQAの組み合わせがあったりする企業の場合は比較的容易に導入をできるのではないかと感じた。

今回はNTTドコモ社の自然対話エンジンFAQチャットボットを利用し自社サービスのチャットボットを作成したが今後も様々なチャットボットサービスを利用し紹介していく。また随時お問い合わせフォームにて紹介してほしいチャットボットを自薦、他薦問わず募集している。

【関連リンク】
自然対話エンジンFAQチャットボット

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