実際にチャットボットを作ってみる
今回はExcelを利用してのQAリストの作成、システムへの投入、Webサイトに設置可能なチャットウィジェットの設定、応答の確認、揺らぎ学習機能の実践までを紹介する。
チャットボットの元となるQAファイル作成
AI-FAQボットではまず管理画面よりダウンロードできるExcelのフォーマットにQとAを記入する。また質問に回答できなかったときの応答文(「回答を見つけられず、すみませんでした。」など)もExcel内で設定することができる。
ファイル作成後、記入したExcelのファイルを管理画面上からアップロードをするだけでチャットボットの構築が完了する。
チャットのウィンドウを開いた時のチャットボットの最初の問いかけの文章なども設定できるようになっている。
また追加オプションとなるが類似語の辞書を登録する機能もあり、Excelに所定のフォーマットにて意味はほとんど同じだが言い方が違う単語(価格、値段、金額)などを登録することで登録した質問文とは違う言い回しで質問されたときでも回答を出すことができるようになる。
FAQチャットボットのボット作成
QAや設定項目を記入したExcelのファイルを管理画面上からアップロードをするだけでチャットボットの構築が完了する。
今回40問程度のQAを作成しシステムにアップロード行い1分とかからずシステムへの反映が終了した。
Excelファイル内で設定したカテゴリ分類に従ってQAリストがシステムに反映される、本画面から直接QAを編集することはできないため、QAの編集を行う際はExcelのファイルを編集しシステムに再アップロードをすることになる。
Webサイトで利用できるウィジェットの設定
構築したチャットボットを利用するためのUI(ユーザインターフェイス)としてWebページの右下に表示されるチャットウィンドウのウィジェットの設定を管理画面より行える。デフォルトのままで良ければ特に設定を変える必要が無いためサイト内にウィジェット用のコードを設置するだけでチャットウィンドウの利用が可能になる。
今回は試験的に本記事の右下にウィジェットを設置した。もちろんこれも特別な設定などはしておらず記事内に管理画面から取得できるコードを設置するだけで実現している。実際に質問をすることもできるので是非試してみてほしい。(2月末まで試験的に本ページに設置予定)
チャットボットの応答を確かめる
サイトに設置したチャットウィジェットをクリックするとまずExcel内で設定した大カテゴリがボタンとして出てくる。カテゴリ名をクリックすると登録してある質問文から自動的にキーワードを抽出したものが回答候補として出てくる。
このようにカテゴリやキーワードをクリックしていくことで回答を絞り込むこともできるがチャットウィジェット下部に自由入力で質問を入力して回答を得ることもできる。
また応答のロジックとしては登録した質問文を自動的に単語単位に分割してシステム側が認識するため、登録した質問文と完全一致でなくても単語が合致していれば回答を出してくれる。
単語の意味揺らぎの学習機能
チャットボットを導入をしてから問題になりがちなのが、稼働を削減するために導入したはずが思った以上にチャットボットのメンテナンス(QAリストの更新や、回答制度の向上)に手間を取られてしまうことだが、AI-FAQボットではユーザーに使われれば使われるほど自動的にチャットボットが賢くなっていく仕組みが取り入れられている。
AI-FAQボットのチャットボットに質問をしたときにその質問文だけでは回答候補が絞り切れなかった場合はおおよそ回答と思われる候補をいくつかチャットボットが掲示をしてくれる、ユーザがその中から回答を選び、「求めていた回答だった」という評価をした場合は、その時の最初の質問文を選ばれた回答と紐づけるといったものだ。
言葉では説明しづらいが、一発で回答ができなかった質問があったとしても次同じような質問をされたときには回答をすぐ出してくれるという自動学習機能だ。
通常であればチャットボットとユーザの対話のログなどを見てどのような質問が来てどのような回答が適切だったかを人の目で見る必要があるが、本機能によってその手間が大きく軽減されている。
分析機能
AI-FAQボットには追加オプションとなるが分析機能がついており、どの回答が一番参照されているか、回答にたどり着くまでのステップが多くなりすぎていないか、どのような質問に答えられなかったかなどをWeb画面上とCSVファイルにて確認することができる。
まとめ
Excelファイルの中の記述だけでチャットボットへのQAの登録や設定まで一貫して行えるため、チャットボットを運用するためのハードルがかなり低くなっている。
Webサイトに設置するウィジェットが簡単に設置できる点も非常に良いと感じた。登録するQAのリストさえあればチャットボット構築からWebサイトへの設置まですぐ行うことができる。
実際に運用してみて初めて必要性が実感できる分析ツールや自動学習機能など痒い所に手が届く機能も充実しており、「逆に稼働が増えてしまうのでは?」とチャットボットの導入に二の足を踏んでいるユーザーにもおすすめできるサービスだと感じた、
今回はL is B社のAI-FAQボットを利用し自社サービスのチャットボットを作成したが今後も様々なチャットボットサービスを利用し紹介していく。また随時お問い合わせフォームにて紹介してほしいチャットボットを自薦、他薦問わず募集している。
【関連リンク】
・AI-FAQボット
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コンサルタント兼IoT/AIライター 人工知能エンジン事業の業務支援に従事するかたわら
一見わかりにくいAIの仕組みをわかりやすく説明するため研究中