IDC、IoTエッジインフラにおける最も重要な処理は「データ分析処理」と発表

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IDC Japan株式会社は、IoTプロジェクトを推進している国内企業および団体の経営層、事業部門長、部課長、係長、主任クラスを対象として2021年1月にアンケート調査を実施し、476の組織から得られた回答をもとに「2021年 国内IoTエッジインフラストラクチャ調査:インテリジェントエッジ利用状況」を発表した。同調査では、IoTインフラユーザーにおけるIoTエッジインフラの利用形態およびベンダー選定基準について調査した。

なお、IDCではIoTの基本アーキテクチャとして「IoTの3層モデル」を定義している。IoTの3層モデルを基に「IoTコアインフラ」と「IoTエッジインフラ」を定義し、さらに「IoTエッジインフラ」を「インテリジェントエッジ」と「それ以外のIoTエッジインフラ」に分類している。インテリジェントエッジは、データ分析などの高度なコンピュート処理を可能にするIoTエッジインフラを指し、 それ以外のIoTエッジインフラ」はIoTゲートウェイやルーターなど、データ分析を行わないIoTエッジインフラを指す。
IDC、IoTエッジインフラにおける最も重要な処理は「データ分析処理」と発表
この調査によると、IoTエッジインフラにおける最も重要な処理として、現在、回答者の37.2%が「データ分析処理」を選択しており、3年後に「データ分析処理」を選択する割合は6.5ポイント増加し、回答者の4割強になった。

一方「OT(制御システム)の監視/制御」を選択する割合は、現在の33.0%から10.7ポイント減少し、回答者の2割近くになった。なかでも「データ分析(AIを利用した深層学習)」は3年後に最上位項目となり、現在の最上位項目である「OT(制御システム)の監視」に取って代わる結果となった。

また、分析処理で使用するデータに関しては、3年後は「画像データ(動画)」が最上位項目となり、「画像データ(静止画)」「システムログ(稼働状況)」「位置データ」が、これに続いた。

データ分析処理を、IoTエッジインフラで行う理由については、「IoTコアとIoTエッジインフラの全体バランスを考慮した」「データ処理スピードが速い」「データ分析スピードが速い」が上位3項目となり、「ハッキング対策のため」「データ漏洩防止のため」といったセキュリティ関連項目が、これに続く結果となった。

IoTエッジインフラにおけるデータ分析処理が増加し、インテリジェントエッジのニーズが拡大していく中で、インテリジェントエッジにAI技術を搭載し、画像データなどをデータ分析に使用するケースが増えていく。このように、今後多様化してくるデータ分析に処理性能面で対応するとともに、顧客のセキュリティに対する懸念を払拭することも必要になるとIDCではみている。

最も重要な処理を行うIoTエッジインフラの採用意向に関する質問では、現在は、回答者の半数近くが「汎用サーバー」を選択している。3年後の採用意向では、汎用サーバーを選択する割合は減少し「IoTエッジ専用製品」と「クラウドサービスベンダーのIoTエッジサービス」を選択する割合が増加した。これらのIoTエッジインフラを選択する割合は、それぞれ3割前後となり、ほぼ均衡する結果となった。

IDC Japan エンタープライズインフラストラクチャ リサーチマネージャーの下河邊雅行氏は「IoTインフラベンダーは、インテリジェントエッジの製品ラインナップ強化などの製品戦略に加え、パブリッククラウドサービスベンダーとの競争戦略やアライアンス戦略を策定することが重要である」と述べている。

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