IDC、2020年の国内企業向けネットワーク機器市場は「GIGAスクール」構想に向けたネットワーク構築が進みプラス成長を達成と発表

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IDC Japan株式会社は、企業向けイーサネットスイッチ、企業向けルーター、企業向け無線LAN機器で構成される国内企業向けネットワーク機器市場に関する市場動向と予測を発表した。

2020年の国内企業向けネットワーク機器市場は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大で経済活動が停滞したにもかかわらず、「GIGAスクール」構想に向けたネットワーク構築が進み、プラス成長を達成した。同市場の2020年の前年比成長率は10.1%で、市場規模(支出額ベース)は2,704億2,200万円となった。

GIGAスクール構想に伴うネットワーク構築需要は、イーサネットスイッチ市場と無線LAN機器市場に大きな影響を与えた。特に無線LAN機器市場においては、前年比成長率で54.2%と大きく成長し、市場規模は468億5,100万円と過去最大を記録した。また、2020年の同市場においてGIGAスクール向けが占める割合は、4割近くに達したとIDCではみており、成長のほとんどをGIGAスクール向けが担ったことになる。

今後の国内企業向けネットワーク機器市場に関して、無線LANをネットワークアクセスの中心に据えた企業ネットワークの進展に伴う無線LANの新規需要は期待できるものの、基本的には成熟市場であるとみている。2020年~2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は、GIGAスクール特需に沸いた2020年が起点になることもあり、企業向けネットワーク機器市場全体(支出額ベース)でマイナス2.3%と予測している。

IDCでは、自社ネットワーク外の管理プラットフォームを用いてネットワーク機器の管理やネットワークの制御を実現するクラウド管理型ネットワークソリューションの動向に注目している。クラウド管理型ネットワークソリューションの中で最も先行しているクラウド管理型無線LAN機器市場について、2020年のGIGAスクール向け特需の影響を除いた2019年から2025年の6年間のCAGRは、13.1%と予測している。

市場の関心が高まるクラウド管理型ネットワークソリューションについて、IDC Japan コミュニケーションズのグループマネージャーである草野賢一氏は「各社が注力するクラウド管理型ソリューションで差異化を図るためにも、アジャイル開発を基にした短期間での機能リリースがソリューションの強化に有効である」と述べた。

また「サブスクリプション型サービスの顧客の満足度を維持向上するためにも、高頻度の機能追加は効果的であり、顧客の継続利用に対する意欲を高めることが期待できる」と述べている。

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