NEC、衛星SARとAIを活用して橋の崩落につながる重大損傷を発見する技術を開発

現在、国内では経年劣化が進行する橋など道路構造物において、5年に1度の定期点検が義務化されている。しかし、全国72万の橋を点検する必要があるため、担当する専門家の人員が不足しており、点検の効率化や代替手段となる新技術が求められているという。

そこで、日本電気株式会社(以下、NEC)は、衛星SARを用いたリモートセンシングとAI技術を組み合わせることで、「異常なたわみ」をミリ単位の精度で検知し、橋の崩落につながる重大損傷を発見する技術を開発した。

この技術は、衛星を利用したリモートセンシングで得られた変位データと、橋の構造や気温の変化を独自AIに学習させることで、橋の変位予測モデルを作成する。そのモデルを用いて、点検期間にリモートセンシングで得られる変位データを分析することで、垂れ下がりなどの異常なたわみを発見することができる。

変位予測モデルは、橋の長手方向の位置によって異なる変位値をまとめて扱うことで、橋全体に対する異常なたわみの閾値を設定することが可能だ。

これにより、近接での目視点検が困難な河川・海・谷などに架かる橋の点検業務の効率化に貢献する。また、定期点検の期間外において、橋の異常なたわみの有無を継続的に遠隔から確認し、異常なたわみがある橋を優先的に点検することを可能にする。

2021年10月3日には、和歌山県で崩落した橋を撮影した崩落前2年間の衛星SAR画像を入手し、今回発表された技術を使って評価した。その結果、崩落個所において崩落1年前から他径間と比較して、1.5倍程度の大きさの崩落の前兆現象と考えられる変位が継続して観測されることが分かった。(トップ画参照)

NECはこの解析技術を強化し、2025年度を目標に、橋の管理者や点検従事者向けの製品化を図るとともに、橋を含むインフラ施設管理全般のDX推進に取り組んでいくとしている。

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