ATINDE、3D CADデータや点群データをVR空間に表示するアプリ「VRLite 2.1.1.0」を開始

製造業における設計レビューは、仕様の不備や誤りを早期に発見して、手戻りの削減を図り、設計の最終的な品質を高めるために実施される。

熟練者同士ならばディスプレイに表示される図面のみで理解することができるが、レビューに参加する全員が現物や試作品が無いなかで理解していくには限界があった。

そこで株式会社ATINDEは、設計レビューにVRを活用する「VRLite」を提案しているが、本日、3D CADデータや点群データ（ポイントクラウド）をオーサリング（編集）無しでVR空間に表示する設計製造業向けVRアプリ「VRLite 2.1.1.0」を、2022年10月3日にリリースしたことを発表した。

「VRLite」は、基本的には3D CADから書き出されるSTL、glTF、OBJなどの中間ファイルを読み込むことで、VR空間に3D CADデータを表示することができる。

これまでは3D CADデータを都度ロードする必要があったが、今回発表されたバージョンからはテキストファイル（VAS：Vrlite Assembled Sets）に読み込むリストを記述し、そのファイルをロードすることで複数のファイルの一括ロードが可能だ。

一度では読み込めないサイズの大きな3D CADデータは、複数のパーツに分割し、VASファイルに記述することで読み込みが可能になる。

想定されている業種や業務は、機械製造業における設計レビューや、3D CADデータはあるが試作品がない状況での保守点検方法の確認や教育・技能継承が挙げられている。

また、LiDARや3Dスキャナで取得した点群データ（ポイントクラウド）表示機能により、作業現場の状況を記録・共有することが可能となる。

さらに、点群データと点群3DCADデータを同時に表示できるため、予め座標系や大きさを合わせることで、設計上の大きさと現状に齟齬がないか確かめることもできる。

「VRLite 2.1.1.0」で行える主な機能

注釈付与

右コントローラのトリガーボタンでペンが表示され、VR空間にフリーハンドで注釈を描くことが可能。左コントローラのトリガーボタンで消しゴムが表示され、描いた注釈を消去することができる。

空間移動

遠くへ速く移動するときは、飛行モードに切り替えて移動。高く飛ぶほど移動速度が上がる。例えばプラント全体を表示した場合に、端から端へ移動する際に飛行モードで迅速に移動することができる。

Undo

VR空間に表示した3D CADデータを掴んで移動することが可能。右コントローラのAボタンでオブジェクト移動の取り消し（Undo）が行え、長押しすると初期位置にリセットされる。

点群データ表示

オプションのポイントクラウドオプション（別売り）を導入することで、3Dスキャナで取得した点群データも表示可能。例えば、現場を3Dスキャナで撮影し、オフィスで現場状況を確認することができる。

その他

VR空間の2点間の簡易的な距離計測や、スクリーンショット機能による注釈を付与したVR空間の記録などの機能を実装している。

IoTNEWS編集部

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