【定点観測】コネクテッドカーが動きだした!欧州とアメリカの政策事情[海外事情]

3.通信技術の組み合わせの採用

EU全土で交通や安全に関する情報のスムーズな提供は、補完的な通信技術の組み合わせでなければ実現できないのだと思われている。クルマ側でC-ITSサービスを対応するには、全面的な通信技術のミックスが必要で、インフラ面で通信技術の選択はロケーション、サービスタイプとコスト効率にも影響される。

現在、有望だと考えられているのはETSI ITS-G5と既在モバイルネットワークという通信技術ミックスだ。同ミックスは安全に関するタイムクリティカル通知をサポートしている低延長ETSI ITS-G5技術と広範囲カバレッジや多数のユーザーへのアクセスを実現する既在モバイルネットワークからなっている。

欧州委員会が提案している具体的な対策: Day 1 C-ITS サービスリストに全面的に対応するため、道路当局、サービスプロバイダー、自動車やラジオ機器メーカー、他の産業メーカーは調達と大量生産におけるハイブリッド通信戦略を採用する。また、C-ITSサービスを提供している通信会社は道路安全に関するネットワーク負荷を適正に管理しなければいけない。

4.セキュリティやデータ保護の対応対策

C-ITSの実現を目指し、欧州委員会は全ヨーロッパ共通セキュリティや証明書ポリシーの必要性を訴え、キープレーヤーとの協力しながら開発を進め、2017年にセキュリティに関する基準を公表する予定だ。

また、自動車から発信されるC-ITSデータは原則として個人データとして扱うことが決定された。従って、C-ITS実施には該当しているデータ保護法律を満たさなければいけなくなり、データ処理にはユーザーの同意が必要だ。
基本的なC-ITSシステムにとって、規定データ保護や設計段 階で情報セキュリティ対策の組込み(s欧州委員会urity by design) は重要である。

具体的な対策:C-ITSサービスプロバイダーが明確で理解しやすい言葉を使い、エンドユーザーに透明な使用条件を提供し、個人情報処理許可を得る。
欧州委員会はC-ITSのデータ保護に関する指導書類を2018年目途に公開する予定だ。

5.適切な法的枠組みの開発

同戦略は2019年までに成熟 したC-ITS サービスを実現するため、投資や全EU法的枠組みの収束促進に注力している。民間・大衆投資家の法的安定性を確保するため、同戦略が2018年まで適切な法的枠組みの導入が見込まれる。また、同分野のリサーチや開発プロジェクトを支援する資金調達も戦略に含められてある。

6.国際レベルでの協力

EUは協力開発を重視し、これからはEUメンバーならびにグローバルメンバーとの協力や経験交換を進める方針だ。

EUメンバー国で展開されるコネクテッドカープロジェクトの調整や体験学習がC-ROADSプラットホームの採用で実現している。C-Roadsプラットホームは2016年にC-ITSに関するEUメンバー国での展開されるプロジェクトを繋ぎ、共同開発、技術仕様の共有、相互運用性確認に使われている。

また、コネクテッドカー市場がグローバル規模で展開しているため、国際協力は欠かせない。公的機関はお互いに見習って、新技術の素早い実装を実現するには国際経験交換が役立つだろう。また、産業関係者はグローバル市場を狙うため、国際標準を把握しなければいけないので国際協力に関心があるはずだ。

具体的な対策:欧州委員会は国際パートナーとプロジェクトと協力しながら、C-ITS開発・展開活動の収束と調整をプロモーションし続け、第三国にてHorizon-2020リサーチの姉妹プロジェクト(ツイニング)とITS分野でのイノベーションプロジェクトの促進を続ける覚悟だという。

標準化とエコシステム構築を目指すC-ITS戦略でめぼしい点は相互運用性と国際協力の重視、様々なプレーヤーをサポートする法定枠組の導入計画、またはコネクテッドカーデータが個人情報として扱われることなどである。
欧州委員会が採用したコネクテッドカー分野における戦略は他のプレーヤーに影響を与える可能性が高いと思われる。例えば、アメリカのNational Highway Traffic Safety Administration (連邦高速道路局)ならびに州議会は同技術に関する方針を定めていることに当たって、欧州委員会戦略が政策論議対象になるかもしれない。

この欧州の動きに合わせるかのうように、アメリカ合衆国運輸省が12月13日コネクテッド車両技術に関する法案した。

連邦高速道路局は2014年にV2V軽自動車通信システム用の規則制定を進める決断を発表した。今回の法規案公示は自動車における新連邦安全基準の設立の提案である。新軽自動車におけるクルマ対クルマ(V2V)通信を可能にし、V2Vメッセージングや通信技術の標準化を掲げ、事故防止を目的としている。同技術は実装された場合、360度の状況把握で交差点や車線変更による事故の8割を予防や軽減し、毎年何万事故を防ぐと期待されている。

同方針に基づき、自動車メーカーがすべての新しい軽自動車にV2V技術nの搭載が義務化される。また、V2V機械はこれから同産業で開発される標準通信技術を使って、統一を目指す。

連邦高速道路局は別のプロジェクトとして、クルマ対インフラ(V2I)通信技術についてガイダンス発出を計画しており、クルマが信号機、工事中ゾーン、停止信号などと通信し合うことで渋滞の削減とセキュリティ向上に努める。

V2V機械は専用短距離通信技術を使い、現在位置、方向とスピードといったデータを近くにある車両に通信する。同データは1秒で10回も更新されながら、V2V器械が搭載されている車両に送信され、受け取った側がそれを利用し、リスクを検出し、事故を防ぐような警告が表示される。自動緊急ブレーキやアダプティブクルーズコントロールといった自動運転機能がある車両にでも役立つと思われる。

アメリカ合衆国運輸省はプライバシーを守るため、V2V 技術に個人情報、または個人特定に使えるデータを含めない方針である。しかし、従来と違って、V2V技術が 2021年に販売される自動車の最低限50%に搭載されることを踏まえ、オプションではなく、義務つけられている技術になるに伴い、すべてのV2V機械は厳しいプライバシーやセキュリティ対策対象となる。V2V技術を使うか使わないかというオプション性がなくなるからこそ、消費者が新車を買うか買わないかという選択に直面するようになる。新車を買う消費者のプライバシーを確保するため、V2V技術に間する透明なポリシーや多層プライバシー通知が不可欠だ。

V2V装置のハックされた場合の安全性リスクに関しては、連邦高速道路局はハックが成功した場合でも、メーカー側が最大限可能な安全対策を採用することが義務化される。その対策は予防・保護を含め、安全関連システムの分離や暗号化、著名のリアルタイム侵入検知システムで断続的な監視、ハックが成功した場合の最大限で車両コントロールの保持やリアルタイム対応対策、または事件データ共有と分析、問題解決と解決方法のキープレーヤに伝達などが提案されている。

同法規案公示に 対 する 意見募 集が90日間にわたって行われている。

コネクテッドカーを進めているアメリカとヨーロッパの方針を比べると、メインとされる目的が違うとしても、似てる項目が見られる。

相互運用性を目指し、両方は標準化された通信プロトコル使用を義務化する予定であり、セキュリティと個人情報保護を重視している。

Source:
European Commission
US

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