インフラだけでなく組織のありかたが変わった(AGC 旭硝子) ─AWS Summit Tokyo 2017 レポート2

企業:

変化した情報システム部の役割

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AWSへシステムの移行を進めることで旭硝子のデータセンターが保有するハードウェアの保有量は年々減少している。データセンターの管理や更新業務などに社内の情報システム部の稼働が大きく割かれていたが、そういった業務が減ったことで情報システム部の役割が大きく変わりつつある。

情報システム部の役割をシステムの保守・運用からPoCへ

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それではどのように旭硝子の情報システム部の役割はどのようなものに変化しつつあるのだろうか。浅沼氏はブラウザNetscapeを開発したことで有名なマーク・アンドリーセンの言葉「Why Software Is Eating The World(ソフトウェアが世界を飲み込んでいく理由)」を引き合いに出し、情報システム部の不要論が出てきていることはある意味で有難いことだと述べた。

Googleやuberなどのソフトウェア企業によって様々な既存産業の構造は塗り替えられようとしており、その流れの中ではどのような企業や部署も何かしらの変化はせざるを得ない。

浅沼氏は「あくまでAGCの例だが」と前置きをした上で、旭硝子の情報システム部の役割はシステムの保守・運用から新しいシステムを社内に導入する際のPoC部隊としての役割を持ち始めていると述べた。

部署を変化させるために必要なこと

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旭硝子の情報システム部が新規システムのPoC遂行の役割を担うためには3つの要素が問題となった。
1.手軽にPoCする環境が無い
2.基幹の仕事が多くて暇がない
3.アイデアが無い・開発がしたことがない
1と2の課題に関してはAWSが解決をしてくれたがPoCを行うためのアイデアや開発経験の不足はどうすることもできなかった。そのため旭硝子ではサーバーワークス社からトレーナーを自社開発をおこなっている。

アジャイル開発を行う場合情報システム部署の社員では2週間ほどのスプリントで作る経験が無いためそれだけの期間でどれだけのものができるかわからない、そのためサーバーワークスのトレーナーがスプリントの管理も行う。このように社内でのスパルタ教育のような形をとることでプロジェクトマネージャーの経験しかなかった人でも3ヶ月ほどで様になるという。

必要なものは情熱、そして燃えているうちに行えるスピード

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浅沼氏は講演の最後にデジタライゼーションを行う際に必要となるのはとにかく情熱である。ただ、情熱が燃え続けられている時間には限界がある。パッと閃いたアイデアをすぐ実践できるAWSは非常に企業のデジタライゼーションを進める上で相性が良いと締めくくった。

クラウドへのシステム移行でどのようなコストメリットが得られるのかといった目線の話は数多く存在するが、今回の旭硝子の講演はクラウドという存在が部署の活動に変化をもたらしていることを示すものであり、クラウドが企業活動に深く浸透していることを実感することができた。

 

AWS Summit 2017 レポート:

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