AIoT のパワーを解き放て―― AIとIoTを統合したAIoTを今すぐ導入すべき理由とは?

シリコンバレー発、Google, Twitterで培った技術力で差別化するIoTプラットフォーム -MODE CEO 上田氏インタビュー

ーセンサークラウド以外のソリューションはあるのですか?

センサー以外だと、自動車の分野で、自動車をセンサーとみなした取り組みをしております。GPSもセンサーだし、車速データ、OBDⅡなどもセンサーなので、同じプラットフォームを使ってこういったもの(下記)が作れます。

MODE CEOインタビュー

こちらは「ビークルリサーチクラウド(VRC)」という名前で出していますが、自動車のフィールドテストを実施する時の開発車両をリアルタイムでデータを取得することができます。

実際に2台のテスト車両が走っていて、すれ違ったデータなどを100ミリ秒単位で収集したりします。

 
-それをさばけるのですか?相当良いCPU積んでいるのでしょうか?

上田: 大丈夫ですよ。CPU負荷自体は大したことはありませんが、通信の制御が結構大変です。モニタリング用の情報はリアルタイムであげて、その裏ではストリーミングで大量の生データを流しています。

裏の仕組みですが、「バルクデータアップローダー」というのを社内で内製しています。例えば、トンネルに入ったり橋の上を走ったりすると通常データが切れてしまいますが、その時に送れなかったものを後から送り直して、クラウド側で再構成する仕組みも入っています。

あとは収集した2台の車のテストデータを100倍速で再生することができるようになっています。止めたり、ズームインしてみたりして、このときどうだったのを調べることもできます。基本的にはここである程度確認して、データをエクスポートして、さらなる分析に使っていただくイメージです。

自動車業界では、様々な企業でテスト走行を行っています。しかし、大手クルマメーカーでないとコストをかけずらい状況にもあります。そこで、ここでも柔軟なセンサーのスキーマ技術が生きてくるのです。

車両のフリートマネジメントのソリューションは多くあるのですが、多くのフリートマネジメントは車の位置くらいしか取れません。

しかし、実は車の位置情報だけじゃなく、車内の中の環境や、ドライバーの疲労度など、取りたい情報は多岐に渡ります。

こういったクルマの基本データ以外のセンサーデータを取ることができるフリートマネジメントシステムとなると、急に選択肢が減ります。さらにすぐ使える車載ゲートウェイも含むソリューションとなると、弊社のサービスが非常に使いやすいソリューションになるのです。

MODE CEOインタビュー
MODE, Inc. Co-Founder兼CEO 上田学氏

 
-表面的に見るとおっしゃるとおりですが、実はバックエンドで動いているバルク処理などが難しいからみんなやれないのですし、結局このルータの中にそれが仕込めないのです。

ドングルから取ってくるデータを、貧弱なネットワークで飛ばすことくらいは誰でもできるので参入障壁が低いですが、さまざまな状態をきちんと制御しながらデータを欠損なくあげようと思ったら、今までであれば、車にパソコンをのせて一緒に走っるしかなかったのですよね。。

要は、いちいちクラウドにあげなくても、データはパソコンで見ることができるし、テスト走行が終わった後にクラウドにあげられるので、最初からクラウドにあげようという発想の人があまりいなかったんじゃないか、と思います。

上野: これまで1時間かけて取ったデータを、また1時間かけてアップロードすることをやらなくても、少しずつアップロードしてくれて、車がピットに着いたらもうデータは大体見えていて、「ちょっと違う走り方してよ」と言われてもすぐに対応できるので、どちらかというと人件費の削減や、手間を省いてくれるのにすごく貢献します。

これまでは、ドライバーと技術者が電話しながらテストされていたというケースもありました。走行テストをするために日本の技術者をアメリカに派遣するので、何週間という出張になるのですが、これを使えば、現地のドライバーに走ってもらって、東京から開発者が遠隔でデータを取り出すということができます。

単純に人件費も削減できますし、もうひとつ大事なのは、今まで技術者のパソコンに入っていた走行データを、会社として全部一箇所に蓄積していくことができるのです。

走行データの分析をするときも、いままで全部のテストデータに対して解析をかけられるようになるので、走行データが会社のデータ資産化できるのがメリットです。

 
-今日のお話を聞いていて、裏側の技術がすごいということが分かりました。

上野: それをエンドユーザに分かってもらうまでが、すごく大変です。弊社のサービスを実際に触っていただくと、細かいところで裏側のデータベースなどの処理がいかに速いかなどが、分かっていただけると思います。

上田: 例えばさっきの温度のグラフは、1秒単位から何ヶ月の範囲で見たりできますが、30秒に1回のデータを1年間取ると、ちょうど100万件のデータになるんです。

なので、1年間のグラフをパッと出そうとすると、100万件のデータをクエリーしないといけないといけません。これって何十秒、下手をすると何分もかかる処理です。しかし、グラフを1個描くのに1分もかかっていたら使い物にならないので、時系列データベースを自社で作りました。いろんな複雑なクエリはできない代わりに、センサーデータを読み出すことだけはとても速いのです。

 
-最後に、日本市場を統括される上野さん、日本展開の意気込みを教えてもらえますか。

MODE CEOインタビュー
日本カントリーマネージャーの上野聡志氏

 

上野: 日本メーカーのセンサーシェアは世界で6割もあり、日本のセンサーの技術を世界に届けるという、すごくビジョナリーな仕事ができると思っています。実際にMODE経由で日本のセンサーが海外の顧客に売れている事例も出ているので、今後の今までリーチしていなかったロングテールでの「センサーの民主化」をしていきたいと思っています。

 
-本日はありがとうございました。

【関連リンク】
MODE, Inc

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