株式会社トプコンと大和ハウス工業株式会社は、トプコンの国内の主要基幹工場である、株式会社トプコン山形の工場の建設工事において、BIM(Building Information Modeling)とデジタル施工技術を活用し、省力化と生産性向上を実現したと発表した。
両社は、協業第一弾として、2019年12月に着工したトプコンの製造子会社である株式会社トプコンオプトネクサスの工場の建設工事において、敷地測量や基礎工事などの各工程にBIMを用い、トプコンのデジタル測量機器やICT自動化施工技術を導入した。
その結果、現場作業の省力化、生産性が大幅に向上し、BIMと建設工事現場の連携に向けた実践的な取り組みの有効性が実証された。
2020年11月には、デジタルコンストラクションの実現に向けて「基本合意書」を締結。その後、両社の知見を活かし、トプコンが鉄骨建方をサポートするスマートフォンアプリ「楽直」を発売した。
大和ハウス工業では、施工現場で測量作業の省力化を実現するレイアウトナビゲータの活用が定着するなど、現場のDX化を推進することで、現在では同社の全国の施工現場において、トプコンの機器を導入している。
そして今回、トプコン山形の工場の建設工事において、両社のこれまでの取り組みを進化させ、設計段階での活用にとどまっていたBIMを施工フェーズにも拡張した形だ。
具体的には、バーチャル空間にてショベルの刃先の軌跡から取得した、地盤を掘削する「根切り」工事の出来形をBIMモデルに取り込み、地足場の検討に利用した。
また、建設工事現場における複雑な設計図面データをそのまま床面に再現する墨出し作業を、BIMモデルから自動墨出しロボットへデータを取り込み、従来の職方作業ではなくロボット作業で省人化した。
さらに、ICT建機の掘削状況が専用ソフトを介して遠隔から施工状況の進捗を把握したり、3Dスキャナを使用することでコンクリートの平坦性を可視化したりといった検証を実施した。
これらの検証の結果、現場の工事担当者からは「施工現場での計画ミスや是正工事が少なくなった」「作業の進捗がすぐにわかるので、次の施工段取りや判断が早くできるようになった」との声が上がるなど、バーチャル空間と現場が連動する建設プロセスの進化が具体的に示された。
特に、現場の墨出し作業では、BIMデータとレイアウトナビゲータを組み合わせることで、生産性が20%向上したのだという。
今後両社は、維持管理フェーズへとDX化を広げるとしている。
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