建設業界において、現場の安全性確保と監視業務の省人化は喫緊の課題となっている。
従来のAI監視システムは、特定の危険行動や物体を検知するために大量の教師データを用いた事前学習が必要であり、日々状況が変化する建設現場のあらゆるリスクに対応するには、柔軟性と導入コストの面でハードルがあった。
こうした中、東洋建設株式会社は2026年2月10日、生成AIを活用して現場のカメラ映像をリアルタイムに分析する「生成AI映像分析システム(VLモニター)」を開発したと発表した。
同システムは、画像と言語情報を統合的に処理できる生成AI技術「Vision-Language Model(VLM)」を採用している点が特徴だ。
仕組みとしては、現場に設置されたカメラ映像から画像を切り出し、事前に設定した「指示文(プロンプト)」とともにクラウド上の生成AIへ送信する。
生成AIは、画像の内容とプロンプトの指示を照らし合わせ、現在の状況を分析し、その結果を説明文や音声で現場に通知する。
また、画面上で「警戒エリア」を設定し、そこにプロンプトで指定した人物や重機などが侵入した際に、即座に警告を発するといった運用も可能だ。
同社はこれまでも機械学習を用いた監視システムを構築してきたが、検出対象をあらかじめAIに学習させる必要があり、学習していない対象や状況の変化には対応できなかった。
今回開発されたシステムでは、生成AIが持つ汎用的な認識能力を活用するため、追加の学習プロセスが不要となる。
現場職員は、作業内容や工程の変化に合わせてプロンプト(指示文)を書き換えることで、監視対象や検知ルールを柔軟かつ即座に変更することができる。
東洋建設は今後、生成AIのコード生成能力を活用し、映像分析の結果を作業機械や計測機器と連携させるシステムの開発を進めるとしている。

