世界で住宅内設置をベースとしたスマートスピーカーの普及状況は、2018年に1億台、2020年には約2.5億台に達すると予測されている(※1)。今後は、AV機器、ヘッドホンなどのヒアラブル機器、生活家電、住宅設備機器など、あらゆる機器に音声サービス機能が搭載されていくと考えられる。これにより、音楽ストリーミング配信サービスや翻訳サービスなどを始め、音声ユーザーインターフェースを利用した新しいサービスも増加していくと考えられる。
一方で、あらゆる機器にAmazon Alexa(以下、Alexa)を搭載するにはハードウェアの制約による多くの課題がある。
このほど、株式会社ユビキタスAIコーポレーションは、MCU(マイコン)向けに音声入力インターフェースとスピーカーから構成される音声ハードウェア(以下、Audio Front End)と連携し、簡単かつ省リソースでAlexaとの通信を可能にして、クラウドベースの音声サービス機能の搭載を実現(※2)する、「Ubiquitous Voice Service Connect」の販売を2019年9月から開始する。
同製品は、Alexaへのアクセスに必要とされるAVS(※3)が搭載されたClientに必要なネットワーク通信からAVS APIへのアクセス機能をコードサイズ150KB未満、使用メモリ500KB程度(Amazon Music再生時)で実現し、Clientに必要な機能をトータルでサポートする。また、Audio Front Endと組み合わせれば、スムーズにあらゆる機器へAlexa搭載が可能になる。
同製品の最初の採用事例となる、オン・セミコンダクターのオーディオ処理LSI(LC82345xシリーズ)と株式会社村田製作所のWi-Fi・Bluetooth対応モジュールType1MWによるリファレンスデザインは、オン・セミコンダクターより販売される予定である。小型、低消費電力であるArm Cortex-M3をベースとして実装されており、既存のソリューションではサイズ、電力消費により実現が難しかった、身の回りのあらゆる機器へのAlexa搭載を可能とし、音声サービスの提供を実現するためのソリューションとなる。
ユビキタスAIコーポレーションは今後、各チップベンダーとの連携によって「Ubiquitous Voice Service Connect」を搭載した組込みハードウェア向けのリファレンスデザインを拡充し、同製品の各機器メーカー・半導体メーカーへの拡販を実施していくとした。
※1 出典:Voicebot.ai「Smart Speakers to Reach 100 Million Installed Base Worldwide in 2018, Google to Catch Amazon by 2022」
※2 同製品はソフトウェア開発キットであり、同製品を利用したハードウェアの製品化にはAmazonが実施する製品対応テストへの申請が必要。
※3 Amazonが提供するAVS(Alexa Voice Service)の使用により、ハードウェアメーカーの製品開発者は、Alexaに直接対応する製品を開発することが可能となり、Alexaとつながったあらゆるデバイスを音声による高い利便性のもと、制御できるようになる。AVSは、API、ハードウェア開発キット、ソフトウェア開発キット、ドキュメントなどのリソースで構成され、開発者はAlexa対応の自社製品を迅速かつ簡単に開発できるようになる。
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