医療現場では、人手不足による働き方改革や省人化が取り上げられており、医療行為のサポート業務もその一環だ。医療法人鉄蕉会亀田総合病院では、年間約1.5万件の手術を実施しており、術式に合わせて使用する医療材料を事前にセットする業務を行っている。従来はバーコードを1点ずつ読み取り、マスターとの照合を行っていたが、1回の手術で最大120点の医療材料を使用する場合もあり、従来の運用では多大な業務負荷が発生していた。
そこで、トッパン・フォームズ株式会社は、ICタグの一括読み取り機能を活用した医療材料管理システムを開発し、医薬品卸売の株式会社スズケンの協力のもと、亀田総合病院に導入した。
同システムにより、手術で使用するガウンや縫合キット、シリンジ容器などの医療材料の検品や出荷、返却確認の業務の大幅な効率化を実現しており、作業時間を約1/20へと短縮している。また、同システムは既存の院内管理システムとの容易な連携が可能で、トレーサビリティー管理や医療材料のマスター照合による誤出荷防止、数量欠品防止などの、人手によるミスを軽減できるという。
今後、亀田総合病院では、医療現場の一層の業務効率化推進のため、ICタグで管理する対象を手術時に使用する医療材料だけでなく、病院内の全医療材料、医療機器等へと順次拡大する予定である。また、トッパン・フォームズは、RFIDを中心としたIoTソリューションの提供により、亀田総合病院の取り組みを引き続きサポートするとともに、同システムを他の病院にも幅広く展開し、医療現場の課題解決に貢献する。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
膨大な記事を効率よくチェック!
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。