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SSS、光子検出効率28%のスマートフォン用SPAD距離センサを商品化

SSS、光子検出効率28%のスマートフォン用SPAD距離センサを商品化

ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社は、光子検出効率を実現する、直接Time of Flight(dToF)方式のSPAD距離センサ「IMX611」を、スマートフォン用に商品化する。

この製品は、入射した1つの光子(フォトン)から、雪崩のように電子を増幅させる「アバランシェ増倍」を利用する画素構造である、独自のSPAD(Single Photon Avalanche Diode)画素構造により、28%の光子検出効率を実現する。

これにより、光源から対象物に反射して戻ってきた微弱な光子でも検出が可能になることで、対象物を高精度に測距することができる。

また、光源となるレーザーの出力を抑えても高い測距性能を実現できるため、スマートフォンのシステム全体の消費電力削減に貢献する。

さらに、被写体との距離を正確に測定できるため、視認性の悪い低照度環境におけるオートフォーカス性能の向上や、被写体の背景のボケ処理、広角カメラや望遠カメラのシームレスな切り替えなどに活用することができる。

加えて、3次元空間認識、ARオクルージョン(※)、モーションキャプチャー・ジェスチャー認識などが可能になり、VRヘッドマウントディスプレイやARグラスの機能進化にも活用可能だ。

※:AR空間において、ARで表現された物体を実在の物体の後ろにあるよう隠している状態のこと。

ARオクルージョンにより、ARで表現されたペンギンが実在の物体の後ろに表示されている。

主な特長

高い光子検出効率

裏面照射型のSPAD画素を用いた画素チップ(上部)と、信号処理用の回路を搭載したロジックチップ(下部)を、Cu-Cu接続を用いて積層し、一画素ごとに導通している。画素部の下に回路を配置することで、開口率(※)を確保しながら、SPADとしては微細な10μm角の画素サイズだ。加えて、画素に以下の工夫が施されている。

※:画素当たりの光入射面側からみた開口部分(遮光部以外)の割合。開口部分が広いほど検出効率が高まる。

独自の信号処理機能

センサ内のロジックチップに独自の信号処理機能を内蔵することで、SPAD画素から取得したRAW情報を距離情報に変換し、出力するところまでをセンサ内で実現。これにより、後段処理の負荷を軽減させることができ、システム全体の開発を簡易化することが可能。

SPAD ToF方式距離センサの構造図
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