株式会社ソラコムは、IoTデータと生成AIを組み合わせて自動化アプリケーションを構築できる同社のサービス「SORACOM Flux」において、設定済みの「アプリテンプレート」を拡充し、全14種類の提供を開始したと発表した。
「SORACOM Flux」は、プログラミングの知識がなくても、センサやカメラなどから取得したIoTデータをもとに、通知や生成AIによる分析といった処理を組み合わせることができるIoTオートメーションサービスだ。
「アプリテンプレート」は、代表的なユースケースに最適化されたワークフローをあらかじめ用意したものだ。テンプレートを選択して複製することで、IoTアプリケーションのワークフローが自動作成され、ユーザは最小限のパラメーター設定のみで自動化アプリケーションを利用することができる。
今回新たに追加されたテンプレートの一つである「ソラカメで動画の解析と通知」は、クラウドカメラサービス「ソラカメ」で取得した動画データを生成AIが分析し、その結果に応じて通知を行うものだ。
静止画では捉えきれない作業の前後関係や状況変化を動画データからAIが判断するため、分析に適したフレームの選択が可能となり、より高精度な検知や状況把握を実現する。
また、物理デバイスと連携したテンプレートも強化された。
例えば、「LTE-Mボタン」をシャッターとして利用し、必要なタイミングで撮影・AI分析を行う仕組みや、「GPSマルチユニット」の位置情報を用いて指定エリアへの出入りを判定するジオフェンシング機能などが追加され、物流や設備管理の現場ですぐに利用できる構成となっている。
さらに、画像解析の精度を高める新機能として「バウンディングボックス」も実装された。これは、画像内の特定の棚やエリアなど、分析対象を枠で指定してAIに分析させる機能であり、在庫数の推定や特定エリアにおける人物検出といったユースケースにおいて、不要な背景情報を除外した精度の高いシステム構築を可能にする。
同社は今後も、顧客からのユースケースや最新の生成AI動向を反映させながら機能をアップデートするとしている。

