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東北大学など、少量データで高精度に学習する軽量AI技術を開発しエッジデバイスの消費電力を約37%削減

東北大学など、少量データで高精度に学習する軽量AI技術を開発しエッジデバイスの消費電力を約37%削減

製造業や医療など幅広い分野でAIの活用が進む中、高性能なAIの実装には大量の学習データと高い計算能力、そして大きな消費電力が求められる。

しかし、リアルタイムな処理が必要な製造現場や通信環境が制限されるインフラ設備では、クラウドへデータを送信して処理することが困難な場合が多い。

また、希少疾患や特殊な異常データなど、大量のデータ収集自体が難しいケースもあり、現場の端末単独で機能する軽量かつ少量のデータで学習可能な「エッジAI」の実現が大きな課題となっていた。

こうした課題を受け、東北大学とフランスIMT Atlantique大学の研究グループは、少量のデータから効率的に学習する「Few-shot学習」と、大規模AIモデルの知識を小型モデルへ転移させる「知識蒸留」を組み合わせた、新たなAI技術を開発したと発表した。

この技術は、従来広く用いられてきたAIモデルに代わり、軽量でありながら高い表現能力を持つ「MobileViT」という構造を採用し、その事前学習に知識蒸留を適用したものである。

最大の特徴は、エッジデバイス上での高精度な認識と、省電力・高速処理を両立させた点にある。

画像認識の評価実験において、1枚のサンプル画像のみから学習する厳しい条件下であっても、従来手法と比較して分類精度を最大約14%向上させることに成功した。(トップ画参照)

さらに、実際のエッジ向けデバイスを用いた実機検証では、従来モデルと比べて消費電力を約37%削減するとともに、2.6ミリ秒という高速な推論処理を実現している。

モデルの計算量自体も約88%削減されており、計算資源の限られた端末上でも実用的なAIを動作させることが可能となった。

研究手法の性能向上および省電力化の効果

研究グループは今後、同技術のさらなる高性能化を進めるとともに、FPGAなどの専用ハードウェアへの実装を通じて、より一層の省電力化と高速化を図る計画だ。

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