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Keychain、ブロックチェーンを使ったIoT認証セキュリティソフトを開発

Keychain、ブロックチェーンを使ったIoT認証セキュリティソフトを開発

Blockchainベンチャーの合同会社Keychainは、ブロックチェーン技術を活用したIoT認証セキュリティソフトウェアを開発したと発表した。

2月初旬には研究開発の支援をしている経済産業省、NEDO、IoT推進ラボ向けにデモンストレーションを行った。そこでは、同ソフトウェアをインストールしたRaspberry Pi Zero(512MB RAM、wifi、価格:約5米ドル)というIoTデバイスを用いた。

同ソフトウェアの使用メモリサイズは、IOTAというIoTデバイス決済向け暗号通貨プロジェクトのソフトウェアと比較して、170分の1のサイズだということだ。

今後到来するコネクティッドインダストリーでは、大量の情報が複数のネットワークを往来し、様々な場所に保管されることになる。このとき留意すべき情報セキュリテイの課題として、Keychainは以下をあげた。

  1. 誰がデータにアクセスできるか(機密性)
  2. 誰が何のデータを作ったか(データ来歴)
  3. データは改ざんされていないか(完全性)

現在のIoTセキュリティ対策のほとんどは、信頼する第3者(認証局(SSL/TLS)、SIMキャリア回線、セキュリティソフト)に解決策を頼っている事例がほとんどだという。

一方、Keychainの技術アプローチは、信頼する第3者だけに依存せず、デバイスごとに固有の鍵/IDを持たせて、デバイス同士がデータ暗号化して、自分自身を守るソリューションを追加できることになるということだ。

Keychainは、同社の情報セキュリティの機能は、一般的なブロックチェーンのDLT技術(ハッシュ化した情報をDLT取引台帳に記録する)以上に、多彩な機能があるとした。

たとえば、以下のような情報セキュリティ機能を、計算処理能力も少ない小さなIoTデバイス上で提供するという。

  1. マシン・デバイスごとのIdentity生成・管理
  2. End-to-end 暗号化通信
  3. デジタル署名
  4. デジタル署名の更新台帳
  5. デバイスの鍵更新および相手への更新情報通知
  6. 多数のデバイス・参加者間でのセキュア通信
  7. リアルタイム性:100取引/ 秒(1デバイスあたり)
  8. 独自Proof of Workコンセンサスによる堅牢なセキュリティ
  9. デバイス間の大量の情報通信と、ブロックチェーン取引を別レイヤー管理することでブロックチェーン・スケーラビリティ問題を解決
  10. 8 MB RAMの使用メモリ。世界中で最もIoT開発に適しているブロックチェーン技術
  11. サポートOS:Linux/Windows/Android/iOS/RTOS、CPU対応:x86/x64/ARM-32/ARM-64

なお、同ソフトウェアの小型化・高速化の成果の一部は、2017年3月の経済産業省およびIoT推進ラボの第3回先進的IoTプロジェクト選考会議「IoT Lab Selection」で、審査員特別賞として表彰され、同会議の支援機関の1つであるNEDOの事業として採択・実施中の「IoT認証プラットフォームの処理高速化と省電力化に関する研究開発」によって得られたものだ。

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