株式会社ドリーム・アーツは、AIの得意領域を最大限に活かすことを目的とした、実務実装志向のAI活用構想「DAPA(DreamArts Practical AI:ダーパ)」を発表した。
この構想は、大企業の業務プロセス改革を支援するAI活用の考え方と方向性を示すものだ。
具体的には、同社が提供する大企業向け業務デジタル化クラウド「SmartDB(スマートデービー)」、他店舗事業の情報共有サービス「Shopらん(ショップラン)」、意識改革クラウド「InsuiteX(インスイートエックス)」の導入・活用コンサルティング、プロジェクト支援などの付帯サービスにわたる設計・実装の思想を包括する。
これらの導入は、業務支援としてのAIに主眼を置いており、AIの実装ポイントとして、業務プロセスエンジンへのAI組み込みや、業務データベースとのリアルタイム連携、プロンプトのデータベース化と一般社員による継続的育成、アクセス権限管理との統合設計などが挙げられている。
これにより、「組織知の増幅」「行動速度の向上」「戦略意思決定のブースト」という大企業特有の課題解決を支援するというものだ。
そして今回、「DAPA」構想の第一弾として、「SmartDB」へのAI機能を実装すると発表した。
「SmartDB」は、大企業向けノーコード内製化ツールだ。各業務の効率化に加え、部門横断のプロセスや基幹システムのフロント領域といったミッションクリティカルな分野にも対応する。
また、ITのスペシャリストの知見と現場による開発を融合させることで、業務システムの内製化を支援する。
しかし、これまでの大企業の業務プロセスでは、意思決定そのものよりも、フォーマットへの記入といった付帯手続きや、内容確認や抜け漏れ確認といった確認作業、ミスによる差し戻し、プロセスステップ毎の待ち時間に多くの貴重な人手と時間が浪費されていたのだという。
そこで、AIを業務プロセスや意思決定プロセスに溶け込ませるという「DAPA」構想の基本方針に基づき、AIのリアルタイム連携やプロンプトのデータベース化をはじめとする実践的なAI機能群をリリースした形だ。
なお、「SmartDB」は、ユーザや組織のマスター管理、細かなアクセス権制御、承認経路管理といった機能を標準で備えており、大企業に求められるセキュリティ要件にも対応しているとのことだ。
さらに、「SmartDB」には業務に必要な情報が安全に格納されたデータベースと、厳密に制御された業務フローが既に構築されているため、業務プロセス内にAIを溶け込ませることが可能となるのだとしている。
また、「SmartDB」に「業務データ」「プロセス」「権限管理」が一体化された基盤にAIを溶け込ませることで、全社展開可能な実用的AI活用を目指す。
新たなAI機能は、AIプロンプトを一般社員が作成・改善し、データベース化する機能や、業務プロセスの各ステップに自然に組み込まれたAIが自動的にチェック・アシスト・サジェストを実行する機能、プロンプトをリアルタイムで監視し情報漏洩や不適切な指示などのリスクを自動で検知・遮断する機能などだ。これらの機能を、現場の社員が自ら設計し、業務に組み込む。
今後は、2025年内にテストユーザとの先行プロジェクトを開始する予定で、オープン価格で2026年4月より提供を開始するとしている。
また、今回の「SmartDB」のAI機能搭載に加えて、「DAPA」構想に基づく「SmartDB」の活用を支援するサービスも順次リリース予定だ。
例えば、実務にAI活用を定着させるためのコンサルティングサービスや、プロンプト設計・ファインチューニングなどのAI構築サービスが挙げられている。
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