三菱重工グループの三菱重工工作機械株式会社は、大形工作機械、歯車工作機械、超精密加工機を対象として、4月以降に販売する全ての工作機械にモニタリングシステム「DIASCOPE（以下、ディアスコープ）」を標準搭載する。エッジによる分散処理とクラウドを融合させたIoT技術により、工作機械の知能化・自律化、そして運転の最適化を追求した。
今回標準搭載されるディアスコープは、すでに同じ名称で提供されているモニタリングシステムを全面的に刷新している。
刷新のポイントは、各種データの収集・解析を遠隔地にあるクラウドサーバーとのインターネット通信で処理して、工作機械のセンサーや測定器などからのデータ収集は、通信の時間がかからない近くのエッジサーバーで分散処理する仕組みを整備したことだ。これにより、迅速かつ高効率なモニタリングを実現した。
ディアスコープの搭載することで、リモートモニタリング、稼働モニタリングの各種サービスを提供する。
- リモートモニタリング
トラブルなどのアラーム情報をディアスコープ経由で三菱重工工作機械のサポートセンターに自動で通知することで、迅速な復旧サービスの提供を可能とする機能。機械のダウンタイム削減に寄与する。 - 稼働モニタリング
パソコンやスマートフォンにて24時間リアルタイムで機械の稼働情報を確認できる機能。アラームや加工完了などの機械停止情報をいち早く提供することができ、稼働実績の分析結果も表示されるため、稼働率改善に向けた取り組みに迅速に着手できる。
今後、機械の操作盤やスマートフォンなどを通じて、ユーザーとサポートセンターとの双方向間コミュニケーションが可能となる機能や、各種情報を発信するポータルサイト、加工ネットワークサイトの開設など、様々なサービスを順次展開していく予定だ。
ディアスコープの標準搭載と併せて、顧客との間で結ぶ「メンテナンスサポート契約」も刷新した。刷新後のメンテナンスサポート契約は、定期的なメンテナンス工事を提供することで、さらなる設備の安定稼働を保証し、顧客のライフサイクルコストを改善する。これまでの1年契約に加え、ロングプランやクイックプランなどを契約プランをラインナップに加える。
メンテナンスサポート契約は、今後、さらなるサポート契約メニュー拡大をはかるとともに、顧客の機械保全に対するスキルアップを支援する保全支援プランなどもラインアップに加え、機械のハード面でのメンテナンスだけでなく、人材育成などのソフト面でのサポートも展開する予定とした。