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パナソニック、画像処理や検査を手軽に行える画像センサー「SVシリーズ」を提供開始

製造過程において多数の画像処理装置が導入されている電機・電子部品や医薬業界では、検査の高速化や画像処理検査システム導入時の立ち上げ期間の短縮、検査のためのプログラミング工数の削減に対するニーズが日々、高まっている。

パナソニック株式会社 インダストリアルソリューションズ社(以下、パナソニック)では、1987年に画像処理機「イメージチェッカ」を発売して以来、画像処理・検査技術をベースとした商品のラインナップを拡充してきた。しかしながら、従来の筐体型画像処理製品では、電機・電子部品や医薬業界の顧客が要求される検査の高速化への対応が困難だった。また、操作性についても専門性が高く、初めて導入する顧客には扱いが難しい部分があった。

そして今般、パナソニックは画像処理や検査を手軽に行える画像センサー「SVシリーズ」を開発し、発売を開始した。主な特長は以下の通り。

  1. 従来に比べてより高速な撮像・検査・検査画像全数保存を実現
  2. 同製品は、コンパクトなボディにCMOSセンサー、Dual Core CPU、Gigabit Ethernetを搭載し、独自アルゴリズムを採用することで従来比約3倍のスピードで撮像と検査を実現した。また、従来方式の画像処理機は検査実行後に画像の圧縮を行っていたが、同製品はJPEGファイル画像の圧縮を検査と並行して行う。これにより撮り込みから出力までの時間を短縮し、検査画像の全数保存を可能とすることでトレーサビリティー構築に貢献する。パナソニック、画像処理や検査を手軽に行える画像センサー「SVシリーズ」を提供開始

  3. 検査アプリケーション対応により実施したい検査を柔軟に設定
  4. 一体型画像センサーでありながら、外観検査や寸法計測、カウントといった筐体型画像処理機の検査機能を搭載しており、様々な検査を実現する。OK/NG判定だけでなく数値での計測結果出力も可能であり、フローチャート式の検査設定や変数機能によって柔軟に検査に対応する。また、目的にあわせてアイコンを選ぶだけで検査設定を行うことができる。

  5. 遠隔モニタリングなどを可能にするネットワーク機能の充実
  6. これまで、画像処理検査システムの導入立ち上げや検査条件の変更、カメラ位置の調整などの際は、検査装置に据え付けられた画面の前での作業が必要だった。そのため、画像処理技術者が製造現場に呼ばれることも多く、事務所と現場の画面やカメラの間を往復する工数が発生していた。
    同製品では、内蔵するWebサーバーを利用した「Web Console」によって、事務所のパソコンなどで検査画面や検査状況を遠隔モニタリングすることが可能となり、製造現場での調整工数削減に貢献する。また、FTPクライアント機能(※)を利用した検査画像の外部サーバーへの全数保存やEtherNet/IP対応など、ネットワーク機能を強化した。

同製品により、チップ部品の方向判別やトレー内のICの個数カウント、フラットケーブルの配列検査などへの活用が期待できる。

※ FTPクライアント機能:ネットワーク機能を有するハードディスクと接続するため機能。

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