コマツカミンズエンジン株式会社では、建設機械などに使われるディーゼルエンジンの製造を行っている。完成したエンジンは鉄パレットに載せた状態でコマツグループの複数拠点に出荷され、エンジンが降ろされた後は鉄パレットのみ工場に返送される。複数拠点にわたってエンジンと鉄パレットを追跡する必要があり、管理が複雑になっていた。
京セラコミュニケーションシステム株式会社(以下、KCCS)は、コマツカミンズエンジンに、低価格・低消費電力・長距離伝送を特長とするグローバルIoTネットワーク「Sigfox」を用いたパレット管理サービスを導入した。
KCCSが提供するパレット管理サービスは、トラッキングデバイスをパレットなどの物流資材に取り付けることで、位置情報を可視化・レポートするサービスである。RFIDなどを用いる場合は読み取り装置が必要で利用できる場所が限定されているが、同サービスは国内人口カバー率95%のSigfoxネットワークを利用して追跡するため、専用装置が無くても広範囲で位置情報を把握でき、初期費用も抑えることができる。
コマツカミンズエンジンは、2023年11月に同サービスを導入し、現在約100台のトラッキングデバイスを鉄パレットに取り付けて運用している。さらに同サービスを応用し、エンジンの製品IDと鉄パレットに取り付けたデバイスのIDをスマートフォンのカメラで読み取りひも付けることで、エンジンの出荷状況や鉄パレットの空き状況などのステータスをアプリケーション上で管理する仕組みをKCCSが構築した。
同サービスの導入により、エンジンと鉄パレットの所在やステータスが把握できるようになり、紛失・長期滞留在庫の防止や、空いた鉄パレットを次のエンジンに素早く割り当てるなど、業務の効率化に役立つ。

