材料開発には、研究開発者が開発した試作品を、大規模なスケールでの製造へスケールアップするフェーズがある。
従来は、プロセス開発エンジニアなどが経験や知見を頼りに試行錯誤し、材料の特性を最大限引き出すための最適な製造プロセスを探索していた。
こうした中、株式会社日立製作所（以下、日立）と株式会社日立ハイテクは、最適な製造プロセス探索を支援する「製造プロセス改善ソリューション」を開発した。
「製造プロセス改善ソリューション」では、日立グループの専門コンサルタントが、さまざまな分野の製造プロセス情報を蓄積した独自データベースや生成AIを用いて、高効率な製造プロセス案や課題解決案などを提案する。
また、顧客自身でインフォマティクスを活用し、各種パラメータの最適値の探索が可能なシステムも提供する。
このシステムは、MIの技術・知見を応用したインフォマティクスにより、各プロセスの条件設定など各種パラメータに関する最適値の探索を支援する機能をSaaSとして提供するものだ。インフォマティクスは、さまざまな数値データや画像データを蓄積した上で行う。
例えば、電子顕微鏡などで撮影した画像データの場合は、画像解析により特徴量を抽出して数値化を行う。さらに、材料の配合条件やプロセス条件などの数値データを用いて、インフォマティクスにより最適な条件探索を行うというものだ。
なお、「製造プロセス改善ソリューション」は、2025年4月から半導体・電池・素材メーカなどが試験導入し、実証を行った上で、日立ハイテクが提供を開始する予定だ。