日本電気株式会社（以下、NEC）は、デジタルツインソリューションを、2025年3月28日から販売を開始すると発表した。
今回発表されたソリューションは、デジタルツイン基盤「NEC Digital Twin Platform」と、現場の人や物の動き、位置・流れを把握するアプリケーション群「NEC Digital Twin 作業行動可視化アプリケーション」「NEC Digital Twin モノの流れ可視化アプリケーション」「NEC Digital Twin 人・モノ・トラッキングアプリケーション」だ。
デジタルツイン基盤である「NEC Digital Twin Platform」は、映像AI技術を活用して、製造工場や物流倉庫など現場の状況を自動認識し、デジタル空間上に再現する。
ファクトに基づいたマネジメントを実現するために設計されており、映像AIエンジン、データ活用アプリケーション、分析サービス、他システム連携機能などを組み合わせることができる。
また、標準的なAPIを備えたオープンアーキテクチャを採用しているため、システム導入後もさまざまなアプリケーション、ツール、エンジンなどを追加することが可能だ。
さらに、付属のダッシュボードを用いてデータを多角的に表現することが可能であり、これにより現場の状況をデジタル空間上に再現し、現場で起きたこと・起きていることを包括的に把握することができる。
アプリケーション群の「NEC Digital Twin 作業行動可視化アプリケーション」は、製造工場や物流倉庫などの現場を映像AIで自動的に認識することで、現場作業の作業内容を自動で判別し、作業時刻や作業状況を自動でデータ化する。（トップ画参照）
NECのAI技術である行動解析技術を用いることで、映像から多様な作業の内容を自動的に把握することができる。さらに、作業分類別、作業者別、エリア・場所別などで自動集計可能だ。
また過去の現場映像にさかのぼり、その時に行われた作業状況を確認することもできる。
「NEC Digital Twin モノの流れ可視化アプリケーション」は、製造工程や在庫エリアを撮影した映像から仕掛品や部材、中間在庫の動き、流れなどを自動的に認識し、自動でデータ化することができる。
また、ARマーカを使用した個体識別によって、工程間やエリア間での物の動きや滞留時間を把握し、物の流れに着目したプロセスの改善点を明確にすることが可能だ。
「NEC Digital Twin 人・モノ・トラッキングアプリケーション」は、現場に設置したカメラで製品や部材、作業者に貼ったマーカを撮影することで、それらの位置を自動でデータ化する。
カメラとマーカの位置関係から位置を三次元座標で取得するため、棚の格納位置や資材の積み上げなどにも対応した測位が可能だ。
また、電波機器を使用せず測位するため、電波の反射・混信、他機器への影響などを考慮する必要がないのが特徴だ。
なお、NECプラットフォームズ株式会社の掛川事業所において、今回発表のデジタルツインソリューションを活用した実証を実施し、約30％の省人化と仕掛品在庫数のデータ化を確認したとのことだ。
今後は、前後の工程を含むデータ化を進め、製造工程の在庫状況の効率化を目指すとしている。
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