日本では、食品衛生法の改正により、2021年6月から全ての食品事業者に、国際的な衛生管理手法であるHACCP(ハサップ)への対応が義務化されている。
従来の抜取検査による衛生管理に比べ、HACCPは食中毒や異物混入などの危害要因を把握した上で、全工程における重要管理点の設定、監視、記録を継続的に行うことで、問題のある製品出荷の未然防止や、原因の追及を容易にする手法だ。
しかし、管理項目の多さや煩雑さにより、コア業務とHACCP対応の両立が課題となっている。
こうした中、TOPPANデジタル株式会社は、2019年4月より販売している製造DX支援ソリューション「NAVINECT(ナビネクト)」において、複数のサービスを組み合わせて導入できるテンプレート型ソリューション「NAVINECTラインビルド」シリーズの新製品として、食品製造業界向けの「食品安全管理DX」の提供を2025年6月12日より開始する。
「食品安全管理DX」は、HACCP対応に特化したサービスだ。食品製造現場におけるHACCP対応で必要となる実施項目や管理をデジタル化し、食品の安全性確保や業務効率化を推進する。
具体的には、製造現場の温度センサや装置連携による帳票への自動入力や管理基準を超えた場合のアラート通知に加え、データ収集を活用したトレーサビリティ、そして現場カイゼンを支援する機能を備えている。
また、QRコードを活用した個体識別により、原材料の使用期限や在庫量をもとに発注タイミングを効率的に管理するほか、生産時におけるレシピの自動正誤判定により、原材料の誤投入を防止する。
さらに、FSSC22000やISO関連文書の管理をシステムで一元化することで、必要な文書を検索でき、更新履歴や確認作業も省力化できるため、監査や内部チェックへの対応を迅速かつ正確に行うことができる。
加えて、専門スタッフによるコンサルティングを通じたスマートファクトリーの実現と総合的な品質保証を支援する。
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