三井化学株式会社と日鉄ソリューションズ株式会社(以下、NSSOL)は、サプライチェーン領域における業務効率化および意思決定の高度化に向け、協業を開始した。
この協業では、NSSOLが有する数理最適化技術および業務設計力と、三井化学の製造・物流現場に根差した知見を融合させることで、実行可能性の高いソリューションを構築し、生産性向上とコスト削減の両立を目指す。
具体的には、これまで三井化学社内で開発してきた生産計画最適化プログラムをベースに、NSSOLが有する生産スケジューリング・在庫配置の最適化・原材料制約を考慮した多品種調整などの技術を活用し、計画業務におけるデータに基づく仕組みづくりを進める。
両社は2024年秋より検討を開始しており、すでに三井化学グループの国内製造拠点における樹脂製品の生産・在庫管理業務を対象に、段階的にPoC(概念実証)を実施している。
一例としては、月単位での生産量を需給バランスに応じて見直すことで在庫の過不足を抑制したり、生産順序を最適化することでロスや切替工数を削減したりするなど、生産スケジューリングの高度化に取り組み、現場実装を見据えた実運用フェーズへの移行を進めているとのことだ。
なお、三井化学の一部の拠点で行ったPoC(概念実証)では、1拠点あたり年間数億円規模の業務改善効果が見込まれている。
今後は、「どの製品をいつ、どれだけ生産するか」「在庫をどこにどれだけ配置するか」といった生産・在庫管理の最適化に加え、物流ルートや販売計画への応用も視野に入れた物流ネットワークの効率化や販売計画の最適化といった他領域への展開も検討していくのだという。
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