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デンソーとScene、3D CADから「工程」と「3D作業指示」をAIで自動生成するソリューションを開発

デンソーとScene、3D CADから「工程」と「3D作業指示」をAIで自動生成するソリューションを開発

日本の製造業の現場で培われた熟練作業者の判断力と技術は、団塊世代の退職や少子高齢化に伴い、2030年代にはこうしたノウハウが引き継がれず失われる危機に直面している。

そのため、これらの知見を形式知化し、活用可能な形で継承することが、製造業における喫緊の課題となっている。

こうした中、Scene株式会社と株式会社デンソーの工機部は、AIを活用して3D CADデータから最適な製造工程と3Dアニメーションによる作業指示書を自動生成するソリューションの共同開発を開始し、2026年4月に提供開始を予定していることを発表した。

今回のソリューションは、3D CADデータを取り込み、スライド作成のように組立プロセスを3Dアニメーションで表現できるSceneの「3D Docs」を、機能拡張させて開発されるものだ。

新たに開発される機能は、3D CADデータや形状情報を取り込むことで、部品同士の干渉がない最適な組み立て順序をAIが自動で検討し、製造部品表(M-BOM)のツリー構造を生成するというものだ。

さらに、そのM-BOMに基づき、作業標準やマニュアルを部品IDと連携することで、直感的に理解できる3Dアニメーション付きの作業手順書までを自動で作成することが可能となる。

これにより、従来は大きな工数を要していた工程検討やドキュメント作成を効率化するとともに、必要な技術情報へ誰もが即座にアクセスできる環境を実現する。

今回発表されたソリューションの概要図

今後は、現場からのフィードバックをAIが学習することで、個人の知識を組織全体の形式知として蓄積・資産化するサイクルの確立を目指すとしている。

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