製造業において、過去の設計資産である紙図面や2Dデータの3D化は、デジタルツインの構築やシミュレーション活用を進める上で大きなボトルネックとなっている。
特に、熟練設計者の減少に伴い、図面のトレースやモデリングに割ける人的リソースが不足しているのが現状である。
こうした中、東京大学発のスタートアップであるbestat株式会社は、2D図面をアップロードすることで3D CADモデルを生成し、AIエージェントとの対話で修正まで行える新サービス「3D.Core CAD Agent」の提供を開始した。
同サービスは、同社が従来提供していた、2Dの三面図を自動で3Dデータに変換する「3D.Core for CAD」をアップデートし、AIエージェント機能を実装したものだ。
利用者は、2D図面を画像形式でシステムにアップロードすることで、AIが図面の内容を認識・解析し、数分から数十分程度で3D CADモデルを自動生成する。
生成されたデータは、製造業で広く利用される中間フォーマットであるSTEP形式でダウンロード可能なため、既存の3D CADソフトや3Dプリンターですぐに活用することができる。
これにより、従来は人の手で行っていたモデリング作業の工数を大幅に削減し、設計プロセスの効率化を実現する。
最大の特徴は、デジタル化されていないアナログ情報の処理能力にある。
鮮明なデジタル図面だけでなく、倉庫に眠っている古い「青図」や、現場で描かれた「手書き図面」であっても、画像として取り込むことで3Dモデルへの変換が可能である。
また、図面内に情報が不足していたり、寸法表記が不鮮明で解釈が分かれたりする場合でも、対話型AIエージェントが機能する。
ユーザはチャット形式でAIとコミュニケーションを取りながら、細かな形状の確認や調整を行うことができる。
一方的な自動変換ではなく、人とAIが協働してモデルを完成させるプロセスを採用することで、手戻りのリスクを低減させている。
料金体系は、1データあたり5,000円からの従量課金制を採用しており、大規模なシステム導入コストをかけずにスモールスタートが可能だ。なお同社は、最大3図面まで試行できる無料トライアルも提供しているとのことだ。

