製造業などの現場において、設備の安定稼働を維持する保全業務は、熟練者の経験や勘に依存する部分が大きく、人材不足と技術継承が課題となっている。
また、常時監視による異常検知は人的リソースの限界があり、見逃しによる突発的な設備停止(ダウンタイム)のリスクを抱えている。
こうした中、アジアクエスト株式会社は、同社のAIエージェントシリーズ第7弾として、工場設備の予知保全を支援する「AQ-AIエージェント Facility-Ops」の提供を開始した。
同サービスは、機械学習(ML)と生成AI(GenAI)という異なる特性を持つAIを組み合わせた「マルチAIエージェント」構成を採用している。
まず、機械学習モデルが既存の監視カメラ映像を解析し、設備の動作異常や保護具の未着用、危険エリアへの侵入といった「状態変化」をリアルタイムに検知する。
次に、その情報を生成AIエージェントが受け取り、過去の事例や運用ルールに基づいて「それがどれほど深刻か」「緊急対応が必要か」といった意味付けと優先度判定を行う。
つまり、AIが一次判断までを担うことで、保全担当者の負荷を軽減するというものだ。
例えば、軽微な変化であれば担当者への通知に留め、異常の兆候が見られる場合には点検を促すなど、状況に応じた最適な対応を判断する。
そして、これらの判断結果はダッシュボードに集約され、必要に応じてアラートとして通知されるため、異常を兆候段階で捉え、設備のダウンタイムや事故を未然に防ぐことが可能になる。
具体的な活用シーンとしては、場環境(5S)の定点監視や、危険エリア侵入検知、保護具着用の確認が挙げられている。
例えば、通路への荷物放置などを検知し、AIが是正指示を含む日報案を自動作成したり、ロボット稼働域などへの侵入を検知し、即座に警告を行うとともに証跡を記録したりといったことだ。
導入にあたっては、新規に特殊なセンサを設置する必要がなく、既設の監視カメラを活用することが可能とのことだ。

