制御機器やヘルスケアなどのデータソリューション事業を展開するオムロン株式会社では、加工品設計に関わる組織間の情報が分断され、有識者の不在時に若手エンジニアが必要なナレッジに辿り着けないという課題を抱えていた。
こうした中オムロンは、全社横断での設計品質向上に向け、キャディ株式会社が提供する「製造業AIデータプラットフォームCADDi」の実用化検証を開始した。
今回導入された「CADDi」は、製造チェーン上の図面や技術データをAIで解析・関連付けし、社内に点在する経験やデータを資産化するシステムだ。
オムロンはグローバル購買・品質・物流本部が主体となり、同プラットフォームの実用化検証をスタートさせた。
導入前はベテラン社員の頭の中に属人化していた暗黙知が、AIによってデジタル資産として統合されたことで、部門や拠点の垣根を越えたナレッジの即時検索が可能となった。
これにより、過去の技術文書から社内の有識者を即座に特定できるようになり、現場で生じていた「誰に聞けばよいか分からない」という状態が解消されている。
また、若手社員が自律的に課題を解決できる環境が整い始めたことで、組織全体の生産性向上と設計品質の底上げを実現したのだという。
オムロンは今後、現在検証を進めている部門以外の事業部へも同システムの導入を拡大し、全社での活用を目指していく計画だ。
国内外の主要開発拠点が保有する技術ナレッジをプラットフォーム上で統合することで、場所を問わず最適な技術情報へ即座にアクセスできる体制を構築し、グローバル競争力をさらに強化していく方針だ。
また、将来像として、単に有識者とつながるだけでなく、個人の「暗黙知」そのものが継承される仕組みの構築を狙っているとのことだ。

