製造業の設備保全部門では、設備の高度化や複雑化に伴い、電気・機械・制御など多岐にわたる専門知識が求められ、業務の難易度が年々上昇している。
こうした中、株式会社FAcraftは、現場に蓄積された修理履歴やマニュアルなどの保全データを横断的に活用し、業務効率化を支援する設備保全特化型AIエージェント「Fixey(フィクシー)」の提供を開始したと発表した。
「Fixey」は、設備・部品・現象といった保全データ特有の構造を理解する独自の検索ロジックを備えたAIエージェントだ。
単純なキーワード一致ではなく、意味的な関連性に基づいて情報を抽出するため、1万件を超える大規模な故障履歴の中からでも、必要な過去のトラブル対応やノウハウを引き当てることが可能だ。
また、工場や拠点ごとに異なるフォーマットで管理されているデータであっても横断的にシステムへ取り込めるため、拠点の枠を越えたトラブル事例や予備品データの共有を実現する。
これにより、事後的なトラブルシューティングにかかる時間を短縮するだけでなく、蓄積されたデータを活用した故障傾向の分析や予防保全計画の策定、保全コストの低減といったデータ分析業務の高度化も支援する設計となっている。
さらに、点検頻度の最適化や機器寿命の予測、日報データの活用など、企業ごとの運用に合わせてAIの活用範囲を柔軟に拡張できる高いカスタマイズ性を有している。
導入にあたっては、ツールの提供にとどまらず、保全業務の経験を持つ専任コンサルタントがデータの整理からAIの設計までを伴走して支援するのだという。
FAcraftは今後、「Fixey」を通じて製造業の設備保全部門におけるデータ活用をさらに推進するとしている。
なお、同システムはすでに、大手自動車部品メーカーを中心とする製造拠点で導入が進められているとのことだ。

