近年、製造業においては需要の多様化やサプライチェーンの広範化が進んでおり、ステークホルダー間の調整や交渉が一層複雑化している。
特に部品や原材料の納期・数量の交渉は生産計画に直結する重要な業務である一方で、人材不足や属人的な調整作業により多くの時間を要しており、需要変動に柔軟に対応できる調達体制の最適化とDXの推進が急務となっている。
こうした中、日本電気株式会社(以下、NEC)は、三菱電機トレーディング株式会社と共同で、調達業務における納期・数量交渉を自動化する実証実験を2025年9月から2026年2月にかけて実施し、大幅な工数削減効果を確認したと発表した。
この実証実験では、「NEC 調達交渉AIエージェントサービス」を活用し、三菱電機トレーディングの国内主要3拠点において、サプライヤ4社を対象とした20品目の発注済み部品の納期・数量交渉業務の自動化を実施した。
そして、同サービスの業務への親和性やUIの使いやすさ、AIによる交渉案の妥当性を確認したうえで、交渉合意までの工数削減や精度について確認した。
実証の結果、従来は1サプライヤあたり人手で要していた交渉時間を約4分の1に短縮することに成功し、年間で最大2,570時間の工数削減効果が見込めることが確認された。
さらに、実証期間中に発生した交渉案件のうち、最大で80%程度がAIによる自動交渉のみで合意に至ったという。
これにより、従来は膨大な手間がかかっていた部品や原材料の調整業務をAIエージェントが自律的に遂行し、担当者の業務負荷を劇的に軽減できる可能性が示された。
今後、両社は同システムの本格導入に向けた課題の解決に向けて、継続的に議論を進めていく予定だ。

