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三菱電機と産総研、FA向けサーボシステムの調整回数を90%削減するAIを開発

三菱電機と産総研、FA向けサーボシステムの調整回数を90%削減するAIを開発

生産現場では、市場ニーズの多様化や製品の高性能化に伴い、産業機械を制御するFA(ファクトリーオートメーション)機器の調整やプログラミングなど生産準備にかかる作業工数が増加している。

特に、高速かつ高精度な動作が求められる電子部品実装機などのサーボシステムは、多数の制御パラメータの膨大な組み合わせを調整する必要があり、熟練技術者であってもその最適化に多くの時間を要していた。

こうした中、三菱電機株式会社と国立研究開発法人産業技術総合研究所(以下、産総研)は2026年3月24日、物理モデルをベイズ最適化に活用することで、FA向けサーボシステムのパラメータ調整にかかる実機動作回数を大幅に削減するAI技術を開発したと発表した。

同技術は、三菱電機のAI技術「Maisart(マイサート)」のうち、物理空間での信頼性や安全性を重視した「Neuro-Physical AI」の開発成果として生み出されたものだ。

未知の関数を効率的に最適化する「ベイズ最適化」のアルゴリズムに、産業機械の挙動や特性を表す物理モデルを活用している。

従来の手法では、実機を動作させて多数の評価値を取得し、複雑な良否判定を行わなければ最適なパラメータを絞り込むことが困難であった。

しかし今回の技術では、物理モデルからの予測結果を活用することで、実機動作で良好な評価値を示したパラメータに近い特性を持つものへと、高精度かつ容易に絞り込むことが可能となった。

左:パラメータと実評価値の関係 右:物理モデルの予測結果と実予測値の関係

これにより、サーボシステムのパラメータ調整のために実機を動作させる回数を従来の手法から90%削減することに成功している。

さらに、パラメータの最適化によって産業機械の性能を最大限に引き出せるため、モータ等の動作開始から目標位置到達までにかかる位置決め時間を平均で20%短縮した。

これらの効果により、生産準備時間の削減と製品製造にかかるタクトタイムの短縮が実現し、生産現場における大幅な生産性の向上が見込まれている。

左:同技術による実機動作回数の削減 右:技術による位置決め時間の短縮

三菱電機は今後、同AI技術を電子部品実装機など高速かつ高精度な位置決めが求められるハイエンド向けサーボシステムへの適用を進め、2028年の製品化を目指していく計画だ。

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