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JSOL、理研と共同で、Google Cloud Platformの活用により、レンダリング処理を200倍高速化

JSOL、理研と共同で、Google Cloud Platformの活用により、レンダリング処理を200倍高速化

株式会社JSOLは、国立研究開発法人理化学研究所と共同でGoogle Cloud Platformを活用することで、レンダリング(画像化)の処理時間に関して、従来比200倍の高速化を実現した。

近年、各種研究分野において、解析処理の高速化に対する要求は強まってきているが、スーパーコンピュータによる大規模シミュレーションの解析結果を画像化および映像化する場合、膨大な時間が費やされることが問題となっている。学会発表や論文投稿などの期限が定まった状況でのデータの可視化には効率化が求められている。

同取り組みは、超新星・ガンマ線バーストの爆発メカニズムの解明の研究(※注)において、解析終了後の学会発表、投稿に向けて必要なレンダリング処理をGoogle Cloud Platform上で多数のコンピュータリソースを活用して並列処理することで、従来個別システムにて17日費やしていた処理を4.8時間までに短縮した。

 

JSOLのHPで紹介されている動画は太陽よりおよそ10倍以上重い星がその進化の最終段階で起こす、超新星爆発の様子を表したものだ。

動画ではシミュレーションで使用した領域、グリッドの形状の説明のあとに、中心部でどうやって爆発が起こるのかの説明が続く。灰色の球体が中性子星(パルサー)の元になる原始中性子星で、そこから生じるニュートリノが外側の物質を温めることで超新星は爆発に転じると考えられている。ただし、本当にその説が正しいのかどうかはまだ議論中だ。

動画では爆発に転じた領域を黄色や白色で表示している。今回の研究の手法上の特徴は、ニュートリノの加熱を比較的正確に解いていることだ。

また、これまで考えられていなかった星の自転の効果も考えており、これまでの予想と違った爆発の様子が得られている。

 

(※注)可視化を行ったシミュレーション研究は、文部科学省HPCI戦略プログラム分野5「物質と宇宙の起源と構造」および計算基礎科学連携拠点(JICFuS)の元で実施したもので、理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」と国立天文台のアテルイを利用して得られたものだ(課題番号:hp120285)。

 

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