日本電気株式会社(以下、NEC)は、株式会社豊田自動織機に対し、量子コンピューティング技術を活用したフォークリフト出荷時の荷積みと配送先の組み合わせ(配車)を最適化するシステムを構築し、2024年10月から同社の高浜工場で本格稼働を開始したと発表した。
高浜工場では、年間約4万台のフォークリフトを生産し、全国へ出荷している。フォークリフトは顧客がオーダーする車両の仕様が多岐にわたり、重量や形状が一台一台異なる。
そのため、複数台の輸送トラックへの荷積みと配車を同時に最適化しようとすると、組合せ数が約一兆通りとなり、自動化が困難だった。その結果、出荷計画業務は担当者の負担となり、さらに複雑な計画立案を精度高く実施するためには、実践での経験が必要だった。
そこで今回NECは、豊田自動織機と同社の情報システムの開発・運用を行う株式会社豊田自動織機ITソリューションズと共同で、量子コンピューティング技術を活用した「荷積み」と「配車」を最適化するシステムを構築した。
このシステムでは、トラックの最大積載重量、荷台サイズ、配送先など、約100項目にわたる制約条件を加味した組合せ最適化問題を解くアプリケーションを開発した。
このシステムを高浜工場での出荷計画業務に使用した結果、熟練者の約6分の1以下の時間で計画を立案でき、積載率も向上したのだという。
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