NTT株式会社と京セラコミュニケーションシステム株式会社(KCCS)は、次世代通信基盤であるIOWN APNを活用し、物流倉庫のAI・GPU処理を再生可能エネルギー100%で稼働する遠隔データセンタへ集約する「エコセントラルコンピューティング」の技術検証を完了したと発表した。
今回実証されたシステムは、千葉県流山市の物流倉庫と、北海道石狩市で常時再生可能エネルギー100%で運営されている「ゼロエミッション・データセンター 石狩(ZED石狩)」を、低遅延なネットワークであるIOWN APNで直結したものである。
最大の特徴は、現場の倉庫内で発生するカメラ映像の解析やロボット制御といった負荷の高い処理を、ネットワーク遅延の影響を最小限に抑えながら遠隔地のデータセンターへ集約できる点にある。
実証では、倉庫内の複数カメラの映像を遠隔地でAI解析し、リアルタイムで作業員の動線可視化や異常検知を行えることが確認された。
加えて、NTTドコモソリューションズ株式会社が開発した未来位置推定技術とカメラ映像による人流分析を組み合わせることで、遠隔地のGPUサーバーからアームロボットを制御し、人とロボットの衝突回避に向けた予測から回避制御送信までを1秒未満で実行する協調業務の基盤も確立した。
これにより、ロボット専用エリアを設けることなく、安全性と空間活用の両立が可能となる。
この構成により、倉庫現場に配置するITリソースが最小限に抑えられるため、設備投資やシステムメンテナンスのコストが大幅に削減されるとともに、IT専門人材への依存度を下げて人手不足の解消に寄与する効果が期待される。
同時に、AI処理を再生可能エネルギーで実行することで現場の電力消費を抑制し、物流DXとグリーントランスフォーメーション(GX)の両立を目指すとのことだ。
今後両社は、今回の実証を通じて構築した基盤を用い、物流業界の課題を解決する持続可能な「物流倉庫DX」の早期商用展開を目指すとしている。
さらに、同技術を物流業界にとどまらず、製造業や社会インフラ分野へ応用することも視野に入れ、新たな産業ユースケースの創出に取り組んでいく方針だ。

