【概要】
■2022年の世界ウェアラブルデバイス出荷台数は1億9,976万台
■世界ウェアラブル市場はスマートウォッチ中心の市場へと推移
■国内市場は法人需要が相対的に強く、2022年は全体で合計124.8万台と予測
トップ画像:世界ウェアラブルデバイス タイプ別出荷台数予測および年間平均成長率(CAGR)(タイプ別、単位: 百万台)
IT専門調査会社 IDC Japan 株式会社は、ウェアラブルデバイスの2022年までの世界/国内出荷台数予測を発表した。
IDCの最新の予測によると、2018年は全世界で前年比8.2%増の1億2,489万台の出荷が見込まれる。この成長率は2017年が10.3%であったのに比べ低下しているが、2019年から2022年にかけてはスマートウォッチや他のウェアラブルデバイスの人気が高まると見込まれるため、10%以上の成長をIDCは予測しており、2022年は1億9,976万台の出荷と予測している。
IDCによると、スマートウォッチは、今日よりもはるかに多くの機能を搭載することになるという。手首装着型の典型的なウェアラブルデバイス以外にも、耳掛け型デバイスが成長へ向かいつつあるとIDCでは予測。これはスマートアシスタントに対する関心が高まることで、多くのブランドが投資を始めていることによるものだという。
例えば、クアルコムのこの分野向けに設計された次世代半導体は、これらのブランドに製品開発のためのソリューションプラットフォームを提供することでこの分野の成長を促進すると期待される。また、センサーを備えた衣類型デバイスも、2022年にはそのシェアが倍増すると予測される。
一方、国内市場の2018年の年間出荷台数は合計85.6万台、2022年は124.8万台と予測される。タイプ別で見ると、腕時計型が2022年は合計81.6万台と市場の大半を占める他、リストバンド型も37.7万台と安定的なプレゼンスを維持するとみられ、全体としては9.9%の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)が見込まれる。
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商品タイプ別の動向(世界)
腕時計型
スマートウォッチは今後シェアが増加し、2022年末までに出荷されるすべてのウェアラブル製品の44.6%を占めることになると見込まれる。
最新モデルでは通話/データ通信機能を組み込んだアップルの製品はスマートウォッチカテゴリに分類される。他のベンダー(既にそれを組み込む決定をしたベンダーを除く)がこの機能を組み込み始めており、近いうちに開発者と一緒に消費者がこの技術を活用して新たなユースケースが多く開拓されることになるという。
ベーシックタイプはこれまでは主にスポーツウォッチ、キッズ向け製品、ハイブリッドウォッチで構成されていたが、2018年〜2022年のCAGRは7.4%になると予測されている。
ベーシックタイプは長いバッテリーライフや分かりやすいインターフェースおよびファッショナブルなデザインという長所があるものの、このカテゴリーはスマートウォッチの影に留まり続け、シェアは2018年の23.7%から2022年の19.7%に低下すると推定される。
スポーツウォッチとキッズ向けの製品を出している多くのメーカーは、収益の拡大を狙い、ユーザーをスマートウォッチに移行させることに集中しているという。
リストバンド型
このデバイスの市場はシンプルさを支持する層が離れつつあることや、FitbitやGarminのように現在リストバンド型を発売しているベンダーもスマートウォッチに軸足を移しつつあるため、2018年の出荷台数は前年比6.6%減になるとIDCは予測している。
2018年以降、このカテゴリーはCAGR 1%以下の横ばい状態で推移すると予測され、平均販売価格は2022年には50ドルを切ると予想されるという。
【関連リンク】
・IDC Japan

