水稲栽培の水管理は通常、時期に応じた生育状況や栽培管理法などを記録した「栽培暦」をもとに行うが、圃場によって移植日(田植日)が異なったり、年によって気象条件が違ったりするため、人が各圃場に赴き生育状況を目視して対応する必要があった。
そこで、株式会社インターネットイニシアティブ(以下、IIJ)では、圃場毎に異なる条件でも対応できる水管理の自動化を目指し、気温や水温などの気象データを取得。そこから生育状況を算出したうえで、生育状況を時間軸とする水管理を考案した。生育状況を指数化したDVIを用いることで、気象条件や栽培期間のずれに影響されない定量的な水管理が可能となる。
そして本日IIJは、稲作の水管理において、水田に設置したセンサから取得したデータを元に稲の生育状況を算出し、算出した生育状況に応じて水管理を自動で行う仕組みを開発したことを発表した。
今回開発された水田水管理自動化システムは、水田センサや給水装置といった現場のIoT機器とクラウドシステムをネットワークで連携させ、水管理プロセスを自動化する。
なお、2021年から2022年に美唄市で実証実験を行い、農作業時間の短縮および、従来と同様の収穫量という有効性が確認されている。
今後は、この自動水管理システムを日本全国で利用できるよう、機能拡張・改良を進めていく予定だ。
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