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機械学習で「思いがけなさ」を提案する旅行検索サイトintrip ーTRASTA岩本佑太氏インタビュー

機械学習で「思いがけなさ」を提案する旅行検索サイトintrip ―TRASTA 岩本佑太氏インタビュー

出発地と写真を選ぶだけで旅行プランを提案してくれるサービス「intrip」を提供するTRASTA。

まだ言語化できない曖昧なニーズに対して「思いがけない」提案をどのように行なっているのか、TRASTA STAY CYCLE部 事業部長 岩本佑太氏に伺った。

(聞き手、IoTNEWS代表 小泉耕二)

旅行プランが好きな写真から提案される

IoTNEWS 小泉(以下、小泉): intripというサービスの内容と、背景について教えてください。

TRASTA 岩本 佑太(以下岩本): intripは「思いがけない旅先に出会える」ということをコンセプトにした旅行検索サイトで、場所、旅先までの移動、旅先でのプラン、ホテルまでを一括予約できるというサービスです。

検索方法は、出発地をスポット名称、住所、郵便番号から選択し、intripが提示する写真の中から好きな画像を3枚選ぶだけで旅行プランが提案されます。

このサービスを始めた背景は、昨年の8月ごろに旅行サービスを作る部署が発足されたのですが、その時点では今のintripにつながるアイディアやきっかけはありませんでした。

そこでよく旅行に行く友人や知人2〜30人ほどにユーザーインタビューを行った結果、「なんとなく旅行に行きたい」と思ったときに使えるサービスがないというニーズが見えてきました。

既存のサービスですと、「都道府県を選ぶ」「いつ行くか」などを入力してから検索ボタンを押すといったように、行き先やプランがある程度決まっていることが前提で作られています。

検索エンジンを使って旅先を探す場合でも、自分が旅行に対して求めることを言語化して検索することにより結果が出てくるという仕組みです。

しかし言語化する前の段階の、「なんとなくどこかに行きたい」というニーズに提案をしていくサービスがないということに気づきました。

言語化できないふわっとした要望のまま、旅行先を探せるユーザーインタフェースや体験の中で思いがけない旅先を提案されて、そのまま旅行予約できるサービスを作ったら面白いのではないかという背景があり、今のコンセプトでサービスづくりを行いました。

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曖昧なニーズに刺さるサービス

小泉: サービスを始められての反響はどうですか。

岩本: なんとなく旅先を探せて、画像からなんとなく選べるということに対して、刺さっている人と刺さってない人がいるという印象です。それは当初の狙い通りでもありつつ、改善の余地があるということだと感じています。

小泉: 刺さっている人と刺さってない人の違いはなんでしょう。

岩本: 刺さってない人はある程度行き先が決まっていて、沖縄だけで出して欲しい、自分が今いる場所の近場で出して欲しいといった、ある程度行き先が決まっているフェーズにいる人には少し使いづらいようです。

「次どこ行こうかな」くらいの曖昧感の中で探している人の間では評判がいいです。

実際にintripを使ってみるIoT NEWS代表小泉耕二

小泉: (intripを使ってみて)ここはアルゴリズムで作られているのですか。

岩本: プラン内容に関しては、現状は人力ベースで作成しています。部分的にアルゴリズムが使われています。将来的にはプランを動的に生成することを想定して準備している段階です。

小泉: このサイト自体を認知させていくにはどのようなことをしていますか。

岩本: 現段階ではリリース以降ずっとSNSの広告を使っています。intrip自体写真にこだわりビジュアルを押しているところもあるので、Instagramなどの写真がメインのSNSとは相性がいいと考えています。

小泉: ホテルの予約システムは外部システムと連携しているのですか。

岩本: ホテルやアクティビティは外部の会社の方と連携し、即時予約や料金面での連携を進めている最中です。

次ページは、「「思いがけなさ」を数学的に落とし込む難しさ

「思いがけなさ」を数学的に落とし込む難しさ

小泉: システムの面ではどういったところが難しかったですか。

岩本: 現段階ではまず選んだ3枚の写真がどういった特徴を持っているか、ということを3枚それぞれにスコアをつけて判定するモデルを作り、我々が持っているプラン情報というものにも、各プランたちがどういった特徴を持っているかというモデルを作ります。

そして選んだ写真のスコアと旅行プランのスコア、相互のスコアが近いものを提示しているのですが、ユーザーがその結果に対してどこまで良いと思うかという点をチューニングしていって、パラメータを変えていくのが難しい点です。

また、現状のサービスには実装していないのですが、選んだ画像に対してどういうプランを提示するかというアルゴリズムを作っている最中ですがまだまだ改善の余地がある段階です。

小泉: ある人にとっては意外性のある面白いプランだと思っても、ある人にとってはハマらないということですね。

人が作っている現段階のアルゴリズムであれば、人から見てある程度想定がつく結果に結びついているのが、写真側とプラン側の両方を機械学習させてスコアでマッチングさせるということですから難しい点もありますよね。

岩本: そうですね。intripとしては今回「思いがけない」というコンセプトを入れているので、その「思いがけなさ」をどうモデルに入れていくか、どうパラメーターとして作っていくかは課題です。

TRASTA STAY CYCLE部 事業部長 岩本 佑太氏

小泉: 思いがけないということをどのように数学的にパラメーターに落とし込むのかが全く想像がつかないですね。

岩本: 私たちとしてもそこに絶対的な解があるわけではなく、試行錯誤をしている段階です。

小泉: 使う人が増えれば増えるほど完成度も上がっていきそうですね。

岩本: そうですね。あとはプラン自体の質の向上と量を増やしていきたいと思っています。そしてプラン自体もアルゴリズムで自動生成していくということも今後やっていきたいと思っています。

小泉: アクティビティとホテルと移動といったことを現段階ではセットで提案しているところをバラバラにしてパラメーターをつけていくということですね。

岩本: パラメーターの数も膨大になりますのですぐに実装できる話ではないのですが、今後の展望として考えています。

小泉: 機械学習というのは一度行ったことを覚えていて、同じ、または似たような場所やプランを提案してくるのが一般的ですから、「思いがけなさ」を機械学習させるというのは面白いですね。

始めにパラメーターを分けなくてはいけないのが大変ですがそこを乗り越えればパーソナルプランというのも実現できそうですね。

岩本: intrip上のユーザーの行動履歴やプランに対する嗜好性、過去の購入履歴といったデータをうまく活用していけば個人に特化したプランも不可能ではないと思っていて、いずれそういう世界の実現を目指して開発を続けていきたいと思っています。

小泉: 本日はありがとうございました。

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