パナソニック コネクト、生成AIのRAGにナレッジグラフを参照して回答する新技術を開発

生成AIは、インターネット上の既存のデータをもとに学習しているため、企業固有の情報や個人関連の情報等については答えらず、間違った回答をしてしまうハルシネーションの課題が指摘されている。

これらの課題を解決するには、信頼できる外部の情報を生成AIに参照させる手法である「RAG」が一般的だ。このRAGの手法には、公開済みの企業情報や、社内情報など、文章化された情報を参照する方法と、さまざまな知識を体系的に連結し、グラフ構造で表したナレッジグラフを活用する方法がある。(トップ画)

現在、一般的な文章を参照する手法を使う場合、ChatGPTはインプットデータに限りがあるという点と、参照する情報が多すぎると間違えやすいといった課題がある。

こうした中、パナソニック コネクト株式会社は、独自に開発した観察駆動型AIエージェント(以下AIエージェント)が、生成AIのRAGにナレッジグラフを参照して回答できる新技術を開発した。

具体的には、GPT上にAIエージェントを立ち上げ、各モジュールが質問への回答に「観察」「行動」「反省」の3段階で吟味できるシステムを構築した。AIエージェントがGPTを利用して自己学習を行うことで、適切な回答を導き出す。

例えば、「観察」の段階で、AIエージェントはナレッジグラフを参照する。次に「行動」の段階で、AIエージェントはさまざまな操作を行い、必要な知識を引き出す。そして、「反省」の段階で不要な情報を削除し、必要な情報をメモリーに記憶する。

この反復プロセスを通じて、AIエージェントは質疑応答を自律的に行い、より精度の高い回答をすることを可能にする。

観察駆動型AIエージェントによる自律的な質疑応答の仕組み

これにより、自律的な質疑応答を繰り返して情報の取捨選択を可能にすることで、素早く適切に必要な情報を収集することが可能になるほか、同じ質問に対して安定して同じ回答をすることができる。

今後は、さらに回答のスピードを速める技術開発を行うとしている。

なお、この技術は、自然言語処理の分野における国際学会「ACL 2024」で、論文が採択されたとのことだ。

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