IBM、データ・レイクハウス「watsonx.data」を軸に非構造化データ活用の進化を推進、AI回答精度40%向上へ

IBMは、AIから重要な非構造化データへの接続に対する新たなソリューションを発表した。

このソリューションでは、データ・レイクハウス「watsonx.data」を補完する「watsonx.data integration」と「watsonx.data intelligence」により、企業向け生成AIの基盤となるデータ・ファブリックの実現を目指す。

通常、メール、PDF、プレゼン資料、動画といった企業データの多くを占める非構造化データは、その複雑性と規模から、AIによる利活用が困難であることが課題であった。

そこで今回発表された「watsonx.data integration」には、AI対応データ提供を実現するための中央統合コントロールプレーンが導入されている。

これにより、データ・エンジニアは、ローコード、コード・ファースト、エージェント型ツールを横断して、多様な開発スタイルでのデータ処理が可能になる。

また、「watsonx.data intelligence」は、AIによってハイブリッド環境におけるデータ提供を簡素化し、データ・ガバナンス、品質、データの来歴、共有を統合する。

これにより、企業が意味のあるデータを効率的に発見・活用することを支援する。

これらの新製品は、それぞれスタンドアロン製品として米国時間の6月11日より提供される他、IBMのオープンでハイブリッドなデータ・レイクハウスである「watsonx.data」を通じても機能の一部が利用できるとのことだ。

なお、IBMの社内検証では、「watsonx.data」を用いたAIが、従来のRAGと比較して最大40%高い回答精度を実現する可能性が示されたのだという。

すでに、IBMの顧客であるロッキード・マーティン社は「watsonx.data」を活用し、7万人のエンジニア、科学者、技術者が数百万もの文書から自然言語で回答や情報を取得できるようにしている。

今後IBMは、DataStax社の買収に伴い、オープンソースのApache Cassandraを基盤としたNoSQLおよびベクトル・データベース機能を提供するAstra DBおよびHyper-Converged Databaseを「watsonx.data」へ統合するほか、新たなAI分析エージェント「watsonx BI」の提供も今年の6月から開始する予定だ。

加えて、Meta社のLlama StackにおけるAPIプロバイダとして「watsonx」を追加するなど、オープン性を保ちながらスケーラブルな生成AIの展開を支援していく計画だ。

すでに「watsonx.data」のMilvusデータベースはLlama Stackフレームワークの一部となっており、今回の統合により、構造化・非構造化データのより高度な管理やエージェント型の情報取得が実現されるとのことだ。

さらにIBMは、領域特化型の事前構築済みエージェント「watsonx Orchestrate」のエージェント・ビルダ、およびAIエージェントのガバナンス機能などのエンタープライズ向けの新しいAIエージェントツール群を発表した。

このツール群と現在のデータ基盤と組み合わせることで、AIエージェントを大規模に展開するためのデータとツールを提供するとしている。

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