デロイト トーマツがプライム上場企業の生成AI活用調査を発表、生産性向上や収益増を見込む企業が増加

デロイト トーマツ グループは、プライム市場に上場する売上1,000億円以上の企業の部長クラス以上を対象に、生成AIの活用に関する意識調査を2025年7月に実施し、その調査結果を発表した。

この調査では、33の本の設問で「生成AI導入・活用関連」「売上・コスト関連」「生成AI人材関連」の3テーマの回答をインターネットで取得した。

まず、生成AIの導入率に関しては、97.7%とほぼ全ての企業が生成AI導入を有益と考え、その約半数が「全社的に導入している」と回答しているものの、導入状況と比べて社内の利用割合は限定的で、「ほとんどの社員が利用している」と回答したのは約2割だった。

生成AIの導入率

「半数以上の社員が利用している」と回答した割合は32.9%と、前年の23.1%と比べて増加したものの、実際の社員利用割合が導入の広がりに追いついていない状況が見受けられた。

生成AIの社員浸透度

導入後の社内利用における課題については、約4割の企業が「データの活用不足」「社員の理解不足」「機能の不足」を挙げている。

生成AI導入後の課題

また、PoCやトライアルの段階から生成AIの本格的な開発・導入に取り組む際の課題については「専門人材の不足」が第一に挙がるほか、ガバナンス体制の整備や全社的な推進機能、データ整備やAI基盤構築など、多くの要素が存在している。

生成AIの本格的な開発や導入に取り組む際の課題

生成AIが搭載された顧客向けサービスの提供状況については「すでに生成AIが搭載されたサービスを提供している」が27.0%と、前年の15.5%と比較して生成AIのビジネス活用が進んでいる状況が伺える。

生成AIが搭載された顧客向けサービスの提供率

生成AIの導入目的に関しては「業務の自動化・効率化」が最多である一方、社員の生成AI利用割合が高いほど生成AI活用を前提とした「事業構造の変革」を重視する傾向になっている。

生成AI導入の目的

さらに、生成AI導入による社内の意思決定スピード向上、競争優位性向上、社員の生産性向上、収益増を見込んでいる企業の割合は全体的に昨年を上回っており、社員利用割合が高い企業ほどその傾向が顕著になっている。

生成AIによる意思決定スピードの変化

社員の生産性については、「変化なし」の回答が前年56.0%だったのに対し今年は28.6%と半減しており、生産性向上を実感する企業が増えていることがわかる。

生成AI活用による社員の生産性向上度合い

また、「競争優位性が向上した」と回答した企業の割合も前年39.3%から今年は56.6%と増加。一方で「ほとんど変化していない」という回答も32.7%となり、企業差が見受けられた。

生成AI導入に伴う競争優位性の向上

生成AI導入による売上の変化においては、前年は「変化なし」が過半数であった中、今年は「増加する見込み」が過半数を超え逆転している。

生成AI導入による売上の変化」

なお、これらの成果に関わる指標の傾向は、いずれも社員利用割合が高い企業ほど顕著になっているのだという。

生成AI導入による人材配置転換の割合も、生成AIの社員利用率が高い企業ほど高くなっている。

生成AIの登場に伴う人員の配置転換率

同社は、昨年の調査に引き続き、2年連続で社内での浸透度が高いほど生成AI導入によるメリットが顕著に表れる結果となったとしている。

関連記事:生産性向上の基本に関して知りたい方はこちらの記事も参考にしてください。
付加価値生産性を知ってますか?「生産性向上」の真の意味と、2つの視点・成功事例から学ぶ稼ぐ力

無料メルマガ会員に登録しませんか?

膨大な記事を効率よくチェック!

IoTNEWSは、毎日10-20本の新着ニュースを公開しております。 また、デジタル社会に必要な視点を養う、DIGITIDEという特集コンテンツも毎日投稿しております。

そこで、週一回配信される、無料のメールマガジン会員になっていただくと、記事一覧やオリジナルコンテンツの情報が取得可能となります。

  • DXに関する最新ニュース
  • 曜日代わりのデジタル社会の潮流を知る『DIGITIDE』
  • 実践を重要視する方に聞く、インタビュー記事
  • 業務改革に必要なDX手法などDXノウハウ

など、多岐にわたるテーマが配信されております。

また、無料メルマガ会員になると、会員限定のコンテンツも読むことができます。

無料メールから、気になるテーマの記事だけをピックアップして読んでいただけます。 ぜひ、無料のメールマガジンを購読して、貴社の取り組みに役立ててください。

無料メルマガ会員登録
モバイルバージョンを終了