アサイクル株式会社は、AWSのマネージドサービスを活用した「営業会話要約ソリューション」を構築し、営業活動の効率化を実現したと発表した。
アサイクルは、「ASKAN」「PICKING GO」「ZERO STOCK」といった薬局DXソリューションを提供し、展示会やオンラインデモで積極的な営業活動を展開している。
しかし、従来の営業プロセスでは、顧客との重要な会話をCRMに手動で入力する作業に時間を要し、情報に質や量のバラつきが生じていた。
また、商談中にメモを取ることで、顧客との対話に集中できないといった状況や、既存の文字起こしサービスでは、アサイクルのソリューション「アスカン」を「明日感」、「ピッキングゴー」を「ピッキング語」と誤認識されるなど、専門用語の認識精度が低いという課題を抱えていた。
そこで同社は、これらの課題を解決するため、業界特化型の音声文字起こし・要約システムの検証に着手した形だ。
構築されたソリューションは、展示会やオンラインデモで録音された音声ファイルに基づき、API経由で様々な生成AIの基盤モデルをフルマネージドで利用できる「Amazon Bedrock」を中核に活用することで、高精度な構造化テキスト出力を実現している。
具体的には、LLMのプロンプト制御によって専門用語の認識を補正し、会話内容の要約、重要キーワード抽出、次のアクション提案といった情報をCRMへの連携に最適な形式で自動生成している。
また、音声処理機能には、フルマネージドコンテナオーケストレーションサービス「Amazon ECS(AWS Fargate)」が用いられ、コンテナベースの処理をサーバーレスで実現している。
さらに、AWSネットワークを活用することで、機密性の高い顧客情報を含む会話内容をセキュアな環境で処理することができ、外部漏洩リスクを排除している。
この仕組みにより、営業担当者は音声ファイルをアップロードすることで、営業活動の効率と品質を同時に高めることが可能となった。
アサイクルは、「AIコーディングエージェントを活用することで、短期間でのプロトタイプ開発が実現できた。インフラ構築の負担を軽減してビジネスロジックの開発に集中できたことが、短期間での成果創出につながったと実感している。」とコメントしている。
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