昨今、n8nやDifyなどのノーコードツールを用いて、業務を自動化する「AIエージェント」を簡易的に開発できるようになったが、AIエージェントと既存の業務システムを接続する「ラストワンマイル」が障壁となっている。
AIエージェントを活用するには、ツールごとに異なるAPI仕様の調査や、OAuth 2.0などの複雑な認証フローの実装が必要であり、作成した連携機能もプラットフォーム間で再利用できないといった課題がある。
こうした課題を受け、株式会社homulaは、AIエージェント開発環境に対応したノーコードMCP(Model Context Protocol)サーバ構築・管理プラットフォーム「Agens Skills(エージェンス スキルズ)」を2025年12月1日にリリースした。
「Agens Skills」は、AIエージェントと外部ツールの間に位置するハブとして機能するソリューションだ。AI接続の標準規格であるMCPを採用しており、開発者は複雑なコードを書くことなく、GUI上の設定だけで「自社専用MCPサーバ」を構築できる。
一度接続設定を行えば、n8n、Dify、LangChain、Claude DesktopといったMCP対応のあらゆるエージェント基盤から、同じツールを呼び出せる環境を実現する。
具体的には、Microsoft 365(Outlook、Teams)、Google Workspace(Gmail、Drive)、さらにはSAPやSalesforceといった主要なエンタープライズツールへの接続機能を「スキルパック」として提供する。
これにより、開発者は「営業アシスタントパック」や「経理パック」といった単位で、必要な権限をAIエージェントに一括でインストールすることが可能となる。
例えば、LangGraphで構築した営業エージェントがSalesforceの情報を確認し、Outlookでメールを下書きするといったワークフローや、DifyのエージェントがSAPのデータと請求書を突合するといった連携が、個別のAPI実装なしに実現できる。
今後の展望としてhomulaは、今回の「スキル付与」機能に加え、ユーザごとの認可管理や監査ログ、セキュリティ対策(WAF/DLP)を統合管理する共通ゲートウェイ「Agens Control」との連携を進めるとしている。
また、全社的なガバナンス管理を行う共通MCPゲートウェイ「Agens Control」の提供も順次拡大していく計画だ。

