株式会社LIFULLは、社内における生成AI活用プロジェクトの成果として、約50,000時間の業務時間を創出したことを発表した。
このプロジェクトの調査対象は、2025年4月から9月までの半年間で、生成AIによって業務効率化を実現できている従業員は96.2%に達しており、これは2年前と比較して2.7倍の増加しているのだという。
AIの週間活用日数は「5日以上」と回答した従業員が45.7%と最も多く、生成AIが日常業務のインフラとして定着している実態が明らかになった。
具体的な成果事例としては、主幹事業である不動産・住宅情報サービス「LIFULL HOME’S」における自社開発の生成AIツール「keelAI(キールエーアイ)」の活用が挙げられる。
同ツールでは、膨大な反響データのURLを入力することで、AIが自動的にデータ分析を行い、顧客提示用のインフォグラフィックを作成する仕組みを構築した。
これにより、従来は熟練者のスキルと時間を要していた分析・提案業務が標準化され、経験の浅い従業員でも質の高い提案が可能となり、営業提案力の底上げにつながっているとのことだ。
また、同社はこれまでの成果を基盤とし、AI活用を「業務効率化」から「事業成長」のフェーズへと引き上げるため、2025年10月に「AIイノベーション本部」を新設した。
これまで有志のプロジェクトチームが主導していた取り組みを組織化し、社内に分散していたナレッジや人材を集約する狙いだ。
今後は同本部を中心に、「AI活用によって新たな価値創造を担う人材」を100名規模で育成するとしている。

