青果流通の現場では、電話やFAX、手書きといったアナログな手法が依然として主流であり、熟練担当者の「暗黙知」に依存した業務体制が、長時間労働や事業承継の大きな壁となっている。
こうした中、株式会社神明ホールディングス(以下、神明HD)は、グループ内の青果卸売会社において、株式会社NTT AI-CIXが開発した「分荷自動化サービス」の導入を決定したと発表した。
今回導入されるシステムは、卸売市場に集まる青果物を注文に応じて仕分ける「分荷業務」を、AIによって自動化・支援するものだ。
具体的には、AIが、営業担当者が分荷時に考慮していることを学習し、入荷・注文の状況に応じて自動で分荷案を生成する。
そして、自動生成した分荷案の修正結果を学習するため、使えば使うほど精度が向上する仕組みになっている。
これにより、営業担当者不在時でも、分荷案の自動生成により代行者での業務実施を支援する。
また、伴走支援も提供する。これは、情報システム担当者に代わり、営業担当者からの問合せ対応や利用支援を実施するものだ。
例えば、対象品目の追加や営業担当者の変更などの設定を代行して実施し、利用状況のレポートの作成する。
導入効果としては、分荷作業にかかる時間を50%以上削減できる見込みだ。これにより、担当者は産地や買参人との交渉、産地開拓といった、より付加価値の高いコミュニケーション業務に時間を割くことが可能となる。
また、従来は「その人でなければ分からない」状態だった業務が標準化されるため、急な欠勤時の代行や、次世代へのノウハウ継承もスムーズに行えるようになることが期待されている。
なお、神明HDとNTTグループは2021年から農産物流通DXに向けた協業を進めており、今回の導入はその具体的な成果の第一弾となる。
今後は、分荷自動化サービスを神明グループの青果卸売会社へ2026年より順次展開を進めるほか、デジタル空間で農産物の需給調整による仮想市場の実現に向けて、物流の最適化にも取り組んでいく計画だ。

