富士通株式会社は、NVIDIAの技術を活用し、Physical AIやAIエージェントをシームレスに連携させる新技術「Fujitsu Kozuchi Physical AI 1.0」を開発したと発表した。
この技術は、同社のAIプラットフォーム「Fujitsu Kozuchi」と、NVIDIAのソフトウェアスタックを統合したものだ。
中核となる「マルチAIエージェントフレームワーク」は、ビジュアルなインターフェース上で業務フローを設計でき、同社の大規模言語モデル(LLM)「Takane」や特化型AIを自動的に組み合わせて最適なソリューションを構築する。
また、「セキュアエージェントゲートウェイ」の実装により、異なるベンダーが開発したAIエージェント同士を連携させる際、企業の機密情報やプライバシー情報を保護しながらデータをやり取りすることが可能となる。
今回、第一弾として公開されたのは、購買部門における調達業務を支援する特化型AIエージェントだ。「帳票理解」「購買規約解析」「適合チェック」に特化した3つのAIエージェントが協調して動作する。
具体的には、複雑な帳票を構造化データに変換し、AIが生成したチェック用プロンプトを用いて規約への適合性を自動判定する。適合チェックされた見積依頼は、セキュアエージェントゲートウェイを介して機密情報などが記載されていないかを確認し、社外の発注先へと送信されるというものだ。
なお、同社の実証実験では、これらのエージェントを導入した結果、発注確認業務にかかる工数を約50%削減できる効果が確認された。
また、NVIDIA NIMマイクロサービスの活用により推論速度も50%向上しており、1日数百件に及ぶ規約チェック業務の高速化を実現しているのだという。
富士通は、今回の技術をベースに、2025年度中にAIが自律的に学習・進化する機能の実装を目指すとしている。
さらに今後は、デジタル空間だけでなく、物理的なロボットが現実世界で作用する「Physical AI」領域へと適用範囲を拡大し、AIエージェントとロボットが高度に協調する社会システムの構築を推進していく方針だ。

