株式会社日立製作所は、設備マニュアルをAIで解析して故障原因の候補を提示し、トラブルの迅速な復旧と継続的な診断高度化を支援する「故障診断AI技術」を開発したと発表した。
同技術は、画像認識と自然言語処理を組み合わせた生成AIを活用し、マニュアル内のフローチャートや表から「故障原因」「症状」「確認手順の対応関係」を自動で読み取る仕組みだ。
抽出された関係性は、事象の関係性を確率的に推論する「ベイジアンネットワーク」として自動で構築される。
これにより、従来は担当者が手作業で行っていたマニュアルの読み込みからモデル構築までの工数が、約10分の1に短縮されることが確認されている。
実際の運用においては、現場の設備で起きている症状を入力すると、AIが確率の高い順に故障原因の候補を提示する。確認すべきポイントと優先順位が明確になるため、経験の浅い担当者であっても原因特定のための探索作業を効率化でき、迅速な復旧対応が可能となる。
さらに同技術は、現場で実施した確認結果や復旧レポートをフィードバックとしてシステムに取り込むことで、推論モデルの確率を継続的に更新する機能を備えている。
これにより、設備の経年劣化などに伴う故障傾向の変化を反映した、より精度の高い診断が可能になるという。
日立は今後、同技術の抽出精度をさらに高めるとともに、対象となるデータを手順書や点検記録といった多様な保全文書へと拡大していく計画だ。

