クラウド会計システムの普及により、士業事務所における資料回収や記帳業務の効率化が進む一方で、入力内容の精査を行う監査業務の負荷が大きな課題となっている。
特に消費税区分の入力は、インボイス制度の施行に伴う適格請求書発行事業者の確認や、免税事業者からの仕入れにともなう経過措置の判断などにより、確認項目が多岐にわたり判断が複雑化している。
専門性が高く複雑な判断が求められるため、経験の浅いスタッフによる入力ミスが発生しやすく、確認作業を担うシニアスタッフの時間を圧迫するという業務の属人化が生じていた。
こうした中、株式会社マネーフォワードは、「マネーフォワード クラウド会計」において、AIが仕訳の入力ミスを検知するAIエージェント「消費税区分チェックエージェント」を、一部の士業事務所向けに提供開始したと発表した。
同機能は、士業事務所の仕訳入力担当者が、上長へレビューを依頼する前のセルフチェックとして活用するAIエージェントだ。
AIが仕訳データを解析し、判断の難しい消費税区分における入力ミスを自動で検知してアラートを表示する。
単にミスを検知するだけでなく、仕訳が抽出された理由や確認すべきポイントも提示するため、担当者自身での修正作業をサポートする仕組みとなっている。
これにより、担当者は該当箇所を事前に確認・修正でき、経験の浅いスタッフであっても一定水準の仕訳品質を確保できるようになるとのことだ。
また、入力段階での基本的なチェックをAIが事前に完了させることで、レビューを担う上長やシニアスタッフは、より高度な税務判断が必要な項目の確認に集中できるようになる。
マネーフォワードは今回、一部の士業事務所を対象に先行提供を行い、順次提供範囲を拡大していく予定である。
今後は、AIによる具体的な修正案の提示やワンクリックでの修正反映機能の実装に加え、消費税区分以外の多角的なチェック機能も順次拡充していく計画だ。

