株式会社日立ビルシステムのエレベーター施工現場では、管理者から毎月約100件の問い合わせが発生しており、専門知識を持つエンジニアが膨大な据付マニュアルや関連ドキュメントを確認しながら対応に当たっていた。
この対応には1件あたり平均約30分を要しており、回答までの時間短縮とフロントラインワーカーの業務効率向上が急務となっていた。
こうした中、日立ビルシステムは、日立製作所の高度なAIスキルを有する専門人財「GenAI Professional」の支援を受け、エレベーター施工現場の問い合わせ業務を革新する専用のAIアプリを開発した。
今回開発されたAIアプリは、エレベーター施工に関連する複雑なドキュメントを、技術支援部門のエンジニアの知見に基づいて生成AIに紐づけている。
これまでの現場業務では、経験に基づく勘やコツといった暗黙知が多く、それをマニュアルなどの形式知と結びつけてAIに活用させることが難しかった。
そこで同取り組みでは、専門家のノウハウを抽出し、多様なフォーマットを持つ図面や設計文書と連携させることで、現場固有の専門的な質問文脈をAIが深く理解できる環境を構築した。
これにより、現場からの問い合わせ内容に対して、約80%という高い精度で瞬時に関連情報を抽出・表示することが可能となった。
このAIアプリの活用により、これまでエンジニアが手作業で行っていた情報探索や初動判断の時間と工数が大幅に削減される。
同時に、現場の管理者は迅速かつ正確な情報を得られるため、業務の滞りがなくなり、エレベーター施工の作業効率自体も大きく向上することが見込まれている。

